定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

読書

「十五の夏」と「怪僧ラスプーチン」

「十五の夏」を読み始めたところ。 作者は、元外務省主任分析官、現在多忙を極める売れっ子作家の佐藤優氏。 これまで、新潮ドキュメント賞その他の受賞に輝いた「自壊する帝国」「国家の罠」「私のマルクス」などを読み、時代や政治状況に対する深く鋭い分…

「悪人」と「静謐さ」

「悪人」(吉田修一)を読みました。 吉田氏の作品を読むのは「パーク・ライフ」に次いで2作目。 もともとミステリーや事件ものが好きでない方なので、この手の本を読んだのはホント久しぶり! 日常の思わぬイサカイから発展した殺人事件! 犯人は誰か読者に…

令和二年正月 と「想いの軌跡」

早くも正月三ヶ日が過ぎ、明日の月曜日から全国的に平日の世界に戻ろうとしています。 今年の正月は天気が良く比較的暖かで、初詣で賑わう神社はさぞかしウハウハ! ご多分に漏れず近くの神社で初詣をしました。 元日から新春特別番組がいろいろある中、特に…

「輝ける闇」と『輝ける再読」

書店で面白そうな本を物色していると文庫本の帯のコピーが目に入ってきました。 「開高健 没後30年」 タイトルを見ると「輝ける闇」・・・ たしか半世紀ほど前の学生時代に読んだ記憶がかすかによみがえってきました。 内容はまったく覚えていません。 ぼ…

「重力の再発見」と「ダークマター」

「重力の再発見」(ジョン・W・モファット)を読みました。 「読んだ」と言うより「サラッと目を通した」と言った方が合っています。 決してスラスラ理解できるようなシロモノではありません。 この本を読もうと思ったのは前々回ブログ【「読書脳 ぼくの深読…

「読書脳 ぼくの深読み300冊の記録」と「知の世界」

う~んと久しぶりに立花隆氏の本を読みました。 書名は「読書脳 ぼくの深読み300冊の記録」。 氏が「週刊文春」で毎週紹介している本の寸評です。 300冊の本は、政治・経済・社会・科学・歴史などなど何でもござれ! ただないのは小説などのフィクション! …

図書館 と iPad Pro + Scrivener

開館まもない図書館に来ています。 比較的暖かかった昨日までと違い、今朝は強い北風が吹き荒れる真冬の天気。 館内もヒンヤリ、午後には学生で一杯になるところ、今はシニアがチラホラ見かける程度でシーン。 久しぶりにリュックに iPad Pro を入れ、今ブロ…

「パーク・ライフ」と 静謐(せいひつ)な時間

「パーク・ライフ」(吉田修一)を読みました。 これまで作者も作品もまったく知りませんでした。 読もうと思い立ったのは、あるテレビ番組を見たからでした。 最近、ネットが思うように使えなくなったこともあり、テレビをよく見るようになりました。 そう…

「梟の城」と 魅力的な司馬ワールド

「梟(ふくろう)の城」(司馬遼太郎)を読みました。 司馬遼太郎の本を読んだのは久し振り! そう言えば数年前、司馬遼太郎の本ばかり読んでいた時期があったっけ。 歴史を見透す作者の確かな眼で見守られ、生き生き動き回る登場人物は魅力的で、読み始める…

「車輪の下で」と タイムマシン

「車輪の下で」(ヘルマン・ヘッセ)を読みました。 いや~、なつかしいことこの上ない! この小説を最初に読んだのは50数年前、なんと半世紀以上も前! 確か高校受験に受かった後の春休みに読んだっけ? 春の暖かい日差しを受けながら、主人公のハンス少…

「無私を得る道」と 小林秀雄への道

小林秀雄全作品の別巻3「無私を得る道」を読みました。 これは別巻となっているように、小林秀雄が書いた作品ではありません。 氏の没後、氏を敬愛する人々が氏との思い出を綴ったものなのです。 小林秀雄の文章は、どんなものでも、途中どこから読み出して…

「少年時代」と もうひとつの「柔道一直線」

「少年時代」(深水黎一郎)を読みました。 この作品のことも作者の名前も知らず、ふと図書館で手にした文庫本でした。 最近、引越しなんかもあって落ち着いて本を読む余裕がありませんでしたが、やっと落ち着いてきて本への関心も戻って来たのでした。 解説…

「渦 妹背山婦女庭訓魂結び」と 人形浄瑠璃

定年後の生活を送るようになり、在職中それまでできなかった読書三昧の暮らしを始めることになりました。 ジャンルは様々でその時の興味につられて限定はしませんでした。 最初は歴史物から始めました。 もともと興味のあった西洋歴史からはじめ、しだいにそ…

北極海航路 と「アグルーカの行方」

胡椒(コショウ)は今でこそラーメンにパラパラ振りかけ、そのピリッとした食感を楽しむ手軽な香辛料ですが、その昔とても貴重で世界を動かす力を持っていたのでした・・・ 15世紀頃のヨーロッパで最も繁栄を謳歌していたのは、ルネサンスの花開いたイタリア…

「市場は物理法則で動く」と 物理学的経済理論

「市場は物理法則で動く」(マーク・ブキャナン)をやっとのことで読み終えました! やはり小説を読むのとは違い、ページの上をスイスイジャンプしながらあっという間に読み終えることはムリ! 第一、ページ上の文字の分量が違う! 小説なら会話が多く、余白…

「市場は物理法則で動く」と「べき乗則」

相変わらずうだるような暑さ! 曇りだとなんとか出かけようと思うものの、ジリジリ照りつける日差しの下では散歩はありえへ~ん! その暑い中、軽く爽やかな小説でも読んだらいいものを、どうしたわけかしち面倒臭い固い本を読んでいるのでした・・・ 本のタ…

「夏物語」と「受難の夏休み」

またまた長~い長~い「受難の夏休み」が始まりました! 小学生の孫たちにとっては「うれしいうれしい夏休み」なんですが、同居のジーちゃんにとっては毎年の受難の季節がやって来たのです・・・ みんなそれぞれの用で学校やあちこちへ出かけた後の静かな家…

「Haruki Murakami」と「Le Monde」

さすが世界的に著名な村上春樹氏! 上の写真は、フランスの新聞「Le Monde」の読書欄で、昨日「Haruki Murakami」として掲載された特集インタビュー記事の一部です。 昨年からフランスで「ジャポニスム2018」が催されていて、その一環として村上氏原作の「海…

「ヤクルト・スワローズ詩集」と タイガース熱戦

文学界8月号掲載の「ヤクルト・スワローズ詩集」を、図書館の静まりかえった中でニタッと声を出さずに笑いながら読みました。 作者は有名な村上春樹氏です。 氏は50年近くにわたるヤクルトのファンで足繁く神宮球場に足を運んだそうです。 何をニタッとし…

「路上のジャズ」と フリージャズ

ジャズについての本というので「路上のジャズ」(中上健次)を読みました。 若くして病に倒れ世を去った芥川賞作家がジャズを語った本でした。 ジョン・コルトレーン、アルバート・アイラーなどコードに囚われないフリージャズを追い求めたように、作者は自…

「弓と禅」と 不思議な世界

「弓と禅」(オイゲン・ヘリゲル)を読みました。 最近読んでいる本とは大きく傾向が異なっています。 新聞で簡単な内容の紹介を読んで興味を持ち読むことになりました。 本当に不思議な話しなのです。 これはフィクションではなくて体験に基づいた事実で、…

「ナミヤ雑貨店の奇跡」と 門脇麦「REBORN」

「ナミヤ雑貨店の奇跡」(東野圭吾)を読みました。 読もうと思ったキッカケは、最近同じ作者の作品を2作読んで面白かったのがひとつ。 また、この作品を選んだのは、作者名でネットをググっている時2年前に映画化されていたのを知って興味を持ったからで…

「容疑者Xの献身」と AI 対決

さあ次は映画でも有名な Stephen King(スティーヴン・キング)の “The Body”(スタンド・バイ・ミー)を原作で読もう!と意気込んだものの・・・ アメンボが水面をスイスイ滑るような日本語読書の快感が忘れられず・・・ また、前回ブログのとおり東野圭吾…

「白夜行」(びゃくやこう)と「食わず嫌い」

「白夜行」(東野圭吾)を読み終えました。 文庫本で860ページ! 文庫本の厚み3センチ3ミリ! これをたった3日間で読了! この前 Stephen King(スティーヴン・キング)の “Apt Pupil”(ゴールデンボーイ)、ペーパーバック版250ページを読むのに2週間かか…

“Apt Pupil”(ゴールデンボーイ)と おぞましい物語

Stephen King(スティーヴン・キング)の “Different Seasons”(恐怖の四季)を読み始め、最初に春編 “Rita Hayworth and Shawshank Redemption”(刑務所のリタ・ヘイワース)を読んだことについては先月下旬のブログのとおり。 old-friends.hatenablog.com …

「書くことについて」と スティーヴン・キング・ワールド

スティーヴン・キングの「書くことについて」を読み終えました。 キングの“Different Seasons”(恐怖の四季)の春編を読み終えたのは前々回ブログのとおり。 old-friends.hatenablog.com 次に夏編を読み始め、この先どうなっていくのだろう?と興味しんしん…

“Different Seasons”(恐怖の四季)と「英語のベール」

Stephen King(スティーブン・キング)の “Different Seasons”(恐怖の四季)を読んでいます。 この本は、題名のとおり四季にまつわる四つの物語から構成されています。 今は、やっと一つ目の “Rita Hayworth and Shawshank Redemption”(刑務所のリタ・ヘイ…

「数学する身体」と 独創的な独立研究者

「数学する身体」(森田真生)を今読み終えたところです。 久しぶりに感じるすがすがしくさわやかな読後感。 この本は3年半前に世に出て、新聞の書評欄を読んで面白そうなので読もうと思っていました。 が、家の中に本のスペースがあまりないのでできるだけ…

「紀ノ川」と 悠久の流れ

♫ 流れる涙 紀ノ川に 捨ててしまった女でも〜 (演歌「和歌山ブルース」だあれも知らないだろうなあ!) 「紀ノ川」(有吉佐和子)を読みました。この作品は、今は亡き有吉佐和子の初期の作品で、映画化、テレビドラマ化もされました。主人公の花(はな)を…

「ジャズのことばかり考えてきた」と 愛機 iMac early 2009

♬〜 すすり泣くようなマイルスのトランペットの音色「みなさん、ごきげんいかがでしょうか児山紀芳です」 これは、毎週土曜日午後11時、NHK FM「ジャズ・トゥナイト」のDJの最初の一声でした。でした、と過去形なのは、長年ジャズ評論界の第一人者で長年「…