久しぶりに歴史(日本史)の本を読みました。
「経済で読み解く日本史 室町・戦国時代」(上念司)。
書店の棚に表紙が見やすいように並べられていて、オヤッと足を止め思わず手に取ったのでした・・・
歴史の本というと、時代を区分し様々な政変や事件が列挙され、さらに様々な歴史上の人物が入れ替わり立ち替わり現れます。
読んでいるうちに何が何やら誰が誰やら、こんがらがりごちゃ混ぜになり頭の中がカオス状態になってしまいます。
日本史の中でも「室町・戦国時代」は時代そのものがカオスでゴチャゴチャして特に分かりにくい、流れがつかめない、人物が把握できない!
その真っ暗闇の中に一条の光を投げかけ、足元の道を明るく照らしてくれるのがこの本・・・
その光とは?
いつの時代でも人々が争って求めるモノ!?
そうです、お金!
「お金の流れ」、すなわち「経済の流れ」をしっかり捉えると、難解な政変や事件の仕組みが判明するのです!
眼からウロコ!
この本を読んではじめて知って今さらながら驚いたのは、日本では江戸時代に入るまで広く流通する日本独自のお金を持たなかった、ということ!
日本独自の貨幣として歴史の教科書で習う「和同開珎」などもあったのですが、一般には広く流通しなかったそうです。
では、江戸時代まで物品の販売・購買の手段として、また、蓄財の手段としての貨幣は何を使っていたのでしょうか?
中国の貨幣(銅銭)を大量に輸入して日本国内で使っていたのだそうです。
ちょうど「中国文字(漢字)」を使って日本語を表現していたように・・・
そして、その時代の中国や日本の政治状況により、中国からの貨幣の輸入が制限されたり豊富に持ち込まれたりすることによって、日本国内の経済がデフレに陥ったり好景気を迎えたりしたのでした。
そういう経済状況を底辺に捉えながら、室町・戦国時代の政変・事件が詳述されます・・・