先日、日経紙上で、和田竜氏が、デビュー作「のぼうの城」を創作するにあたり、国会図書館などで史実を丹念に調べたうえで書き始めたことを知り、興味を持ったので読みました。
この本は、埼玉県行田市の忍城(おしじょう)での戦国時代の攻防を描いたものです。
忍城(おしじょう)は、岡山県高松城、和歌山県太田城とともに、日本三大水攻めのひとつに数えられるように、秀吉軍石田三成による水攻めで名高く、この本でも描かれています。
文庫本で上下二冊ですが、合わせて400ページ余りなので、読み始めると面白くてアッという間に読んでしまいます。
どういうところが面白いのか振り返って考えてみました。
(具体的なストーリーはネタバレになるので、伏せておきます)
●スピーディーなストーリー展開
歴史小説にありがちな長い説明文がなく場面展開も早いので、グイグイ引っ張られてしまいます。
●ドキドキハラハラのストーリー展開
絶体絶命のギリギリの場面で、読者が思いもつかない方向にストーリーが進展し、あっけにとられます。
特に、把握不可能な主人公に読者も最後まで引っ張り回されます。
●映像化しやすい場面展開
作者は、同じ題材で最初に脚本を作成し、その後、小説化したように、城の水攻めなどの各場面が映像に適した内容になっています。
実際、この作品は、4年前に映画化されています。
戦国の「忍(しのぶ)の城」を偲(しの)べ、Chromebook!!