定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

「孤愁の岸」と Chromebook


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孤愁の岸(上) (講談社文庫)

 「孤愁の岸」(杉本苑子)文庫本上下2冊を読みました。

 これを読もうと思ったのは、ネットの読後感想で「引きこもりの兄がこの本を読み終え目に涙を浮かべていた」という文章を読んだからでした。

 これは、史実に基づく幕府の外様大名に対する壮絶な「いたぶり」の物語です。

 引きこもりのお兄さんは、読みながら自分の身につまされて心を動かされたのでしょう。

 

 薩摩藩鹿児島県)は、天下分け目の関ヶ原の戦いのときに、豊臣方についたため、江戸時代を通して他の外様大名とともに厳しい締め付けを受けました。

 妻子は人質として江戸に住まわせられ、藩主と家臣は、莫大な費用を必要とする参勤交代で江戸と国元を行き来しました。

 そして、徳川幕府は、藩に何かの落度を見つけては、改易(かいえき)、すなわちお家お取潰しを行いました。

 江戸時代に改易を受けた藩は二百数十にも上ります。

 薩摩藩は、武勇を奨励し、密貿易で財力を蓄えていると思われていたので、幕府に対し謀反(むほん)を企てる恐れがあるとして、風当たりが特に厳しいものでした。

 

 そうしたなか、肥沃な土地を蓄える濃尾平野(今の岐阜県から愛知県に広がる平野)が、豪雨のたびに木曽川長良川揖斐川(いびがわ)の氾濫で洪水に見舞われ甚大な被害を受けるのを防ぐため、大規模な治水工事が行われることになり、幕府よりその「御手伝い方」がある一藩に申し渡されることになりました。

 「御手伝い方」と言っても、単なる手伝いではなく、大勢の藩士を労力として工事現場へ長期にわたり派遣し、さらに、治水工事に関するいっさいの膨大な費用を調達しなくてはなりませんでした。

 各藩、申し渡しを受けるのを恐れ戦々恐々としていたなか、工事現場からはるか遠く離れ現地と何の関係もない薩摩藩に申し渡しを告げる書状が運ばれてきました!

 ここから、治水工事を通し、自然・幕府・地元住民と薩摩藩士の長期に渡る壮絶な死闘が繰り広げられていくのです・・・

 

 苦闘する事務方薩摩藩士を助けよ、 Chromebook !!