パラパラパラ・・・
ポツポツポツ・・・
庭の植木の葉を叩く雨粒。
「聴 雨」(雨を聴く)
床の間に掛けられた掛け軸。
シュンシュンシュン・・・
湯が沸き立つ茶釜。
お茶のお点前(てまえ)が始まる・・・
これは、「日日是好日」(にちにちこれこうじつ)(森下典子)の1シーン。
先日、地デジとBSテレビで続けて放映された映画「日日是好日」を見た後、ぜひ原作をと思って一気に読んだのでした。
新宿歌舞伎町を舞台にしたバイオレンス、ドラッグのドロドロ暗黒世界!
今回の本はそれとはまったく正反対!
当初お茶に関心がなかった女学生(作者)が、週に一度友達と近所の茶道を教えるおばさんの家へ通い始めます。
何度やっても覚えられない複雑怪奇・意味不明の茶道の手順に悩まされます。
歩き方、座り方からフクサ・茶碗・柄杓の扱い方や手順、それにお茶のたて方・・・・・
何度ももうやめようと思いながらもどうにか続けてきたお茶。
月日が経ち、社会に出て人生を重ねるうち、カタチだけだったお茶に徐々にその本質がたち現れることに・・・
雨の音、一瞬にして世界が開ける茶の道!!