幕末ものの「龍馬の黒幕」(加治将一)を読みました。
以前に読んだ司馬遼太郎氏の「竜馬がゆく」で描かれた、明るく天衣無縫な龍馬像とはまったく異なっています。
これは、そのタイトルが示すとおり、龍馬そのものよりも、その裏にひそんでいる隠れた黒幕を追い求めているのです・・・
龍馬は、剣術修行に江戸へ行ったり、自由を求めて脱藩したり、長崎で軍艦を得るため亀山社中を作ったり、幕府に対抗できるよう薩長同盟を結ばせたり、と新しい時代を開くため様々な活動をしました。
それらは、龍馬が行ったことには違いないのですが、実は、操り人形のように裏で糸を引いていた黒幕がいた、と言うのです!
その最大の黒幕とは、長崎の武器商グラバーなど、さらに、その奥にひかえる◆◆◆◆!
グラバーは、龍馬だけではなく、維新で活躍した薩摩・長州の多くの志士たちとも関わっていました。
龍馬たちの背後に渦巻く黒雲は、龍馬の暗殺にもその影を落としています。
龍馬の暗殺者について、思いもよらない推論が展開されます・・・
さらに、明治維新の意味を問いなおすところまでいきます。
龍馬をはじめ、維新の世を産み出すのに尽力した志士たちを見えない糸で操る黒幕!
作者は問いかけます。
「いったい明治維新とは日本人にとってなんだったのか?」
日本の国歌「君が代」の元の曲の作曲者が、外国人だと知って驚きました!
ページを繰りながら、「ほんとうだろうか?」と首を傾げるところもありましたが、おおむね、かなりの説得力ある内容でした!
1866年4月26日、ある国の外務次官から在日公使に宛てた公文書には、こう書かれているそうです。
「日本において、体制の変化が起きているとすれば、それは日本人だけから端を発しているように見えなければならない」
大いにありそうな内容だと思ったとき、ふと、わたしの頭をかすめたことがありました。
「戦後の日本と米国との関わりも同じではなかったのか?!」
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