前回、フランス語が分かりやすく感じる理由を4つ挙げましたが、肝心な2つを忘れていたので追加したいと思います。
また、孫から「なに、ぼお〜としてんねん!!」と鋭く突っ込まれそうです。
追加するのは次の2つです。
(5)フランス語は英語と語順がほとんど同じ。
(6)英語の6〜7割の単語は、フランス語もしくはラテン語から派生したもの。
特に(6)については、スペルがほとんど同じで読み方が違うという単語がたくさんあるのに驚きます。
たとえば、
フランス語 英語
famille family
environment environment
identite identity
element element
invention invention
continuer continue
etc.
この多くの英語の単語がフランス語とよく似ているのは、歴史上の出来事によるためなのです。
中世の時代、北欧のバイキングがヨーロッパ各地を怯えさせていました。
フランスもバイキングと激しい戦闘を繰り返したあげく和解し、北部ノルマンディー地方をバイキングに譲り渡しました。
世代を重ねてバイキングもフランスに同化(フランスの習慣に馴染みフランス語を話す)した後、1066年、ノルマンディー公(ウィリアム1世、エリザベス女王の祖先)が対岸のイギリスに攻め上り征服してしまいます。
そして、この時から約300年間、イギリス宮廷では、英語ではなくフランス語が話されることになりました。
この間に膨大な数のフランス語が英語に取り入れられるようになったわけです。
ここまでは、フランス語が分かりやすそうに見える点について紹介しましたが、こんどは、分かりにくい点を挙げたいと思います。
それは、「数の数え方」です。
1から69までは、数え方に特に問題ありませんが、次の数70が変則なのです。
70 soixante(60)-dix(10)
70は、「70」という独立した単語があるのではなくて、「60」の次に「10」を付け加えるのです。すなわち、「60」+「10」=70 というわけです。
80がまた変則です。
80 quatre(4)-vingt(20)
80は、「4」の次に「20」を付け加えますが、こんどは「足し算」ではなく「掛け算」になります。すなわち、「4」✕「20」=80 というわけです。
90 quatre(4)-vingt(20)-dix(10)
90では、「4」✕「20」+「10」=90 となります。
フランス語は子音の発音が少なく、また、「r」(エール)の独特の発音もあって、柔らかく優雅な響きをもった言葉です。
こうして、学生時代にフランス語を学びはじめ、その魅力に惹かれたのですが、卒業して一旦社会に出ると日々の業務に追われ、とてもフランス語どころではなくなってしまいました。
そして、再びフランス語と向かい合うようになったのは、50歳を数年過ぎた30年後のこととなりました。