ブルーバックスの「時間とはなんだろう」(松浦壮)を読みました。
振り返ってみると、この手の本(一般向けにやさしく書き下ろされた理系本)は、10年に一度くらいの割合で手に取っているようです。
普段は日々の雑事に追われ、あわただしくその日暮らしの生活を送っている中、ふと「疑問の虫」がムクムクと起き出すことがあります!
「自分たちの住んでいるこの世界は、いったいどんな仕組みになっているのだろう?」
「最新の理論物理学では、世界はどこまで解明されているのだろう?」
こういうとき、数式なしのやさしい一般向け解説書を手に取ることになります。
はたしてどういう真の姿があらわれるのだろうか、と真理の解明を期待し意気込んで読み始めます。
ところが、読み終えたとき「分かったような分からないような」スッキリしないストレス感がいつも残ったものでした!
ひとつは、わたしが、解説内容を十分に理解できていないからなのと、もうひとつは、最新の理論物理学でも解明できていないことが多いからなのでしょう。
未来に残された時間よりも過去に過ぎ去ったなつかしい時間の方が多くなったここ最近、本屋の書棚でふと目にしたタイトル「時間とはなんだろう」に惹かれ、久しぶりに理系本を読むに至ったのでした。
実感があるが実体がない不思議な「時間」は、その背後に必ず物体の運動を伴うということから、著者は、物体と運動力学の歴史をたどり、それに関連して「時間」の考察を行います。
ニュートン力学 ⇒ アインシュタイン特殊・一般相対性理論 ⇒ 量子力学
現在の最新理論においても、マクロ・ミクロをあわせたこの世界を貫き通す統一理論が、未だ解明されていないので、読み終わった後、ミステリーのようにすべて解決・一件落着!といかないのは仕方ありません。
それでも、読んでいる途中、真理が垣間見えるような内容に出会う箇所がありました!
●時間は全宇宙に同じ速さで淡々と流れるものではなく、高速宇宙船では遅くなる。
●時間と空間は本来同じものであり、静止状態の物体は時間方向に光速で移動する。
●時間は「3次元空間全体に淡々と同じペースで流れる」のではなく「時間と空間を合わせた4次元時空内の運動」であり、空間方向の移動も時間経過の一部とみなせる。
●私たちの宇宙に広がる4次元時空は、空っぽの器ではなく、その各点各点に「電磁場」という内部構造(その振動が光)、「電子場」という内部構造(その振動が電子)、「量子場」という内部構造(その振動が各種素粒子)が備わっている。
「絶対時間・絶対空間」が過去のものとなった今、
「悠久たる時の流れ・果てしない拡がり」はいずこへ?!