定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

「ポトスライムの舟」と「ポメラ」


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ポトスライムの舟 (講談社文庫)

2009年芥川賞受賞作「ポトスライムの舟」(津村記久子)を読みました。
読むキッカケは、何か面白い本がないかなと考えていたときでした。
昨年は一年を通して村上春樹作品を読み通しほとんど新たに読むものがなくなっていました。

 

そのときふと、そうだあの人の本を読んでみよう!と思い立ちました。
ずっと以前、新聞のインタビュー記事で、津村氏が作家としては特異な文章入力ツールを使っていることに驚いたのを思い出したからでした。
普通、作家は、デスクトップやノートタイプのパソコン(ワープロはもうないのだろう)で入力することが多く、テレビや雑誌の写真でよく目にします。
原稿用紙に手書きという昔ながらのスタイルもありますが、出版業界全体がデジタル化された今ではごく少数派になっているようです。

 

そういう中で、津村氏が利用していたのは?
ポメラ」!
ひたすら書くためのツールに特化し、あえてネット通信を断念した、キングジム社のデジタルメモ機!

 

今このブログは昨年11月にゲットした iPad Pro で快適に入力していますが、それまでは文章入力ツールに何を使うか試行錯誤を繰り返していました。

 

古い iMac ➡︎ iPhoneBluetoothキーボード ➡︎ Chromebook ➡︎ YOGA BOOK ➡︎ iPad Pro 2018 12.9”

 

それぞれに満足できなかったのは、日本語変換の能力不足、画面の小ささやBluetooth接続の煩わしさ、キーピッチが短かく入力しづらいキーボード、ミスタイプ連発のバーチャル・キーボードなどなど。
そして、iPad Pro 2018 12.9” にたどり着いたのでした・・・

 

その過程で、確かに「ポメラ」も選択肢の一つでした。
作家の津村氏が愛用していたことがさらに「ポメラ」に触手を伸ばす気をそそったのは間違いありませんでした。
ある日、ビックカメラの店頭へ実機を見に行きました。

 

確かに「ポメラ」は良くできたスグレモノでした。
キーボードがしっかりしていて、日本語変換もあの ATOK
バツグンのモバイル・ツール!

 

ですが、わたしの使い勝手では結局、マイツールにするに至りませんでした!
太い指に短すぎるキーピッチ、老眼に文字が見づらい小さな画面、文書保存のクラウドにアクセスできない(できても手間がかかる)、入力中調べたいときにネットにつながらない・・・

 

オット!読んだ本のことを書くつもりがついついデジタル・ツールの話にそれてしまったゾー!(いつものこと!)
作者の津村氏は外出時に「ポメラ」を利用していますが、もちろん「ポトスライムの舟」には「ポメラ」は登場しません!
工場勤めをしている主人公の職場や家庭の日常生活がていねいに描かれ、特に大事件や天変地異が起こりませんが感慨深い読後感を覚えます・・・

 

こういうのを「ポメラ」でよく書けたなあ!と思いながら物語を読みました。
もっとも、自宅ではたぶんパソコンを使ってストーリー全体を見渡しながら、外出時「ポメラ」で揃えた物語のパーツを組み立てたのでしょうが・・・

 

いよいよ今夜サッカーアジアカップ決勝だッ!!