定年後のゆる〜くたのしい日々

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「官僚たちの夏」と Chromebook


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官僚たちの夏 (新潮文庫)

  まだまだ厳しい残暑にふさわしく、男たちのアツ〜イ物語「官僚たちの夏」(城山三郎)を読みました。

 これは、今から半世紀以上も前、1960年代の高度成長期の物語です。

 通商産業省経済産業省の前身)のキャリア官僚たちは、まだ未熟な日本の産業を強大な外国企業から守り着実に育てていこう、という熱い想いを抱き、夜を日に継いで奮闘し、あるときは代議士や他省との争い(省内の争いもあります)に勝ち、あるときは敗れる、というノンフィクション的な物語です。

 

 高度成長期には、国民総生産は年平均16%もの伸び率を誇り、しばらく前の中国のような勢いを示し、毎年毎年所得が増え、一生懸命働けば暮らしがどんどん良くなるという明るい未来が輝いていました。

 今でこそ、悪者の代表のように言われがちな「官僚」ですが、当時は、一日も早く先進諸国に追いつくため、産業界・金融業界と一丸となって粉骨砕身の日々を送っていたのです。(当然、当時も劣悪な官僚がいて、今も優秀な官僚はいます)

 

 また、当時は、まだエアコンがなかったので、真夏にスーツ・ネクタイ姿はとても厳しく、豪放な主人公は、すぐに上着・シャツ・ネクタイを脱ぎ捨て、ランニング姿で仕事をしてしまいます!

 そういう意味でも、ほんとうにアツ〜イ・アツ〜イ物語なのです!

 

 この物語の舞台となっている高度成長期は、わたしが10代の頃でした。

 まだまだ社会に目が向かず、自分の周りの狭い世界の中で、喜んだり、悩んだりしていた頃でした。

 その同じ時期に、霞が関では、この本に描かれている官僚たちの物語が展開されていたのでした。

 今から思えば、10代の頃、もっと広く世の中に目を向け、社会の仕組みを学べばよかった、と反省しますが、これは半世紀を経た今でこそ言えることなのでしょう。

 

 この本を読みながら、まるでタイムマシンで高度成長期に戻り、当時の空から見下ろしているように、官僚たちの行動を追うと同時に、10代の自分の姿を追っていました・・・

 

 半世紀前の夢のデジタル機で社会を学べ、Chromebook!!