定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

「平均律クラヴィーア曲集」と グレン・グールド

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今、バッハの「平均律クラヴィーア曲集第1巻・第2巻」の CD を聴きながらこのブログを入力しています。
ピアノの一つひとつの音がピチピチあたりを跳ね回っています・・・

 

バッハのこの曲を弾いているのはグレン・グールド
これまでクラシックは敬遠していたのですが、ジャズとともにクラシックにも造詣が深い村上春樹氏の「小澤征爾さんと、音楽について話をする」を読んでから、ぼちぼちクラシック、特にピアノ曲を聴くようになりました。

 

グレン・グールドについては「小澤征爾さんと・・・」でも触れられていて、かなり癖のある天才ピアニストという印象でした。
彼は36年前に50歳の若さですでに亡くなっています。
YouTube で検索するとグレン・グールドの演奏する映像がいくつか出てきます。

 

まず、グレン・グールドの演奏スタイルを見てビックリ!
なにッ、これ〜?!
子供用のイスさながら脚の短い低いイスに座り、ピアノにかぶりつきスタイル!
曲に陶酔したような表情で腕を上げたり下ろしたりの動作!
左右の手指は細く長く、まるで独立した別々の生き物のようにクネクネ鍵盤上を這い回ります!

 

さらに驚いたことに、ピアノの音に混じって鼻歌(!)が聞こえてきます!
グレン・グールドはいつも歌いながらピアノを弾くのでした!
指揮者が注意してもおかまいなく鼻歌は止みません、演奏会場でも録音スタジオでも!

 

しかし、しかし、このような奇異な演奏スタイルながら、ピアノから紡ぎ出される音は際立っています!
音感がよくないわたしでも感じることができるほど!
鍵盤から弾かれて跳び出る一つひとつの音は、クリアで生き生きとし、まるで指で捕らえることができそう・・・

 

ジャズに加えて「平均律・・」をピアノで弾いてみようか!!

 

 

「夢のサーフシティー」と「猫山さん!」

村上朝日堂 夢のサーフシティー

図書館で面白そうな本をあさっていると「夢のサーフシティー」(村上春樹)の表紙絵に惹かれて読んでみました。
絵の作者は安西水丸、表紙だけでなく文章中にも心癒されるイラストが満載で、村上氏とたびたびコンビを組んで仕事をしているそうです。

 

この本は20年前に発行されたもので、当時インターネットの「村上朝日堂」というホームページに載せられた氏のエッセイ、それに「読者&村上春樹フォーラム」(読者からのメールと氏の返事)を抜粋してまとめたものでした。
この中では氏の日常生活や考え方が、ザックバランにユーモラスに語られていて大変興味深く読めました。

 

たとえば、氏が文章作成のツールとして使っていたのは、Apple のノートパソコン PowerBook、デスクトップパソコン LCⅢ で、Apple がお気に入りだそうです。
氏は、トヨタ・松下(現パナソニックよりもホンダ・ソニーの系統がお好みだそうです。

 

また、この本には、抜粋されていない「読者&村上春樹フォーラム」まるごとが収められた CD-ROM が付録として付いています。
家に持ち帰りさっそく iMac の CD-ROM ドライブに入れましたが、活字と違いデジタルモノは規格などの日進月歩が凄まじく、20年前の CD-ROM は入れた途端みごとに拒絶されてしまいました!

 

読者とのメールのやり取りで、読みながら思わずニンマリしたのがありました!
ある女性の読者は村上氏と同じ職場にいる初夢を見たのでした。
夢の中でその女性は思い切って氏を昼食に誘いましたが、やんわりと断られがっかりしたというのでした。

 

これに対する氏の返事のメール。
「それはどうも失礼しました。それはきっとあなたが中華料理に誘ったからじゃないですかね。僕は中華料理が苦手なんです。ラーメンもだめです。こんどは夢の中でお蕎麦にでも誘ってください。待っています。」

 

なんと軽妙でユーモアがあって女性の気持ちをおもんばかる優しい言葉なのでしょう!
まるで氏の小説中の主人公と女性との会話を彷彿とさせるようです・・・

 

道ばたの猫に話しかける猫好きの村上氏「猫山さん、猫山太郎さん!」