定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

「渦 妹背山婦女庭訓魂結び」と 人形浄瑠璃


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【第161回 直木賞受賞作】 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

定年後の生活を送るようになり、在職中それまでできなかった読書三昧の暮らしを始めることになりました

ジャンルは様々でその時の興味につられて限定はしませんでした。

 

 

最初は歴史物から始めました。

もともと興味のあった西洋歴史からはじめ、しだいにそれまでまったく見向きもしなかった日本歴史の方に向かっていきました。

この理由は未だに自分でも理解できないものの、おそらく「歳のせい」ということになるのでしょう。

 

 

高校の頃から敬遠していた「日本史」「古文」や「郷土史」なんかも急に懐かしく感じられるようになったのでした。

司馬遼太郎の小説を読み漁ったり、そうそう司馬遼太郎記念館も訪ね、城や城跡もいくつか訪れました。

 

 

時代小説に飽き足らず古典を直接読もうとしたこともありました。

もちろん「古文」は高校時代、不得意中の不得意科目だったので、注釈と首っ引きだったのは言うまでもありません。

それでも、集中力を発揮し、「奥の細道」「枕草子」「徒然草」「平家物語」などを読んだ後、「源氏物語」を4ヶ月かけて読破したのは数年前。

 

 

その後、ノンフィクションを読みながらフィクションにも惹かれ、昨年は村上春樹作品をほとんど読むに至りました。

今年に入りなかなかこれというものに出会えず読書量も減った中、今年直木賞を受賞した「渦 妹背山婦女庭訓魂結び」に出会ったのでした。

 

 

これはタイトルで一目瞭然のとおり、江戸時代の人形浄瑠璃の作者を主人公とした物語。

このところ、村上春樹作品の爽やかな文章で描かれた現代のシュールな物語に浸っていたので、いきなり江戸時代の難波道頓堀の舞台に放り込まれ、溺れまいとアップアップしながら読み進めました。

 

 

作者は愛知県出身ながら、全編流暢な大阪弁で書かれているのも珍しいのでした。

関西出身者から見てもみごとな古風な大阪弁で、本を読んでいるというより、大阪の落語や講談を聞いているように感じるほどでした。

 

 

主人公近松半二が、有名な文楽の演し物(だしもの)「妹背山婦女庭訓」を作るに至った経緯を、半二の生涯を辿りながら描いています。

読み終えて、久しぶりに大阪日本橋人形浄瑠璃を見たくなりました・・・

 

 

さて次は何を読もうか、現代物・時代物・フィクション・ノンフィクション?!