定年後のゆる〜くたのしい日々

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「日本のいちばん長い日」と 歴史の岐路


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日本のいちばん長い日(決定版) 運命の八月十五日

この前読んだ「幕末史」の著者(半藤一利)の作品「日本のいちばん長い日」を読みました。
今月8月15日の終戦記念日の72年前に起きた、歴史が大きく方向転換した一日の出来事を克明に綴ったノンフィクションの傑作です。
この本をもとに2度映画化されています。

 

題材が題材だけに、重厚な重~い本です。
350ページほどの文庫本ですが、各ページに活字がギッシリ詰まり見慣れない漢字も多くあり、小説のように軽快に読み飛ばせるしろものではありません。

 

序文にも書かれているように、終戦を決断した一日は「二十四時間の維新」でもあります。
それまでの封建体制を根本からくつがえした明治維新のように、軍事中心の政治体制を全否定した一日でもありました。
それだけに、産みの苦しみは大変で、数々の難関を乗り越えなくてはなりませんでした。

 

このノンフィクションは、終戦日前日8月14日の正午から、天皇陛下のラジオ放送が流される15日の正午までの24時間を扱っています。
24の章立てにし、1時間毎の出来事を詳述しています。

 

日々戦況は悪化し、戦線の相次ぐ後退、国内各地を焼き尽くす空襲、2度の原爆投下など、これ以上の戦争の継続は国を消滅しかねないにもかかわらず、あくまでも本土決戦を主張する陸軍大臣などの戦争継続派と、ポツダム宣言を受諾し早期の終結を期する戦争終結派との間で延々と議論が繰り広げられ、閣議は空転状態になっていました。
これに終止符を打ったのが天皇陛下の御聖断で、ここに終戦への道が開かれることになりました。

 

ところが、全面降伏の閣議決定に憤る青年将校たちは、クーデターを画策しました!
クーデターに賛同しない陸軍師団長を殺戮、偽の命令を発し、宮城(現在の皇居)を占拠した後、終戦を告げる天皇の録音盤を奪って放送の妨害を企てようとしたのでした・・・

 

息詰まる重苦しい展開、やっと閉塞状態から抜け出したと思ったら、立ちはだかる荒れ狂う暴徒たち、狙われる録音盤・・・
まるでサスペンスです!

 

72年前の歴史の岐路へタイムスリップ!!