定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

「スーパー通訳者」と「イメージ」

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昨夜、情熱大陸を見て、通訳者橋本美穂さんのすごさ!に驚きました。
フリーランスでなにもかも一人で行わないといけないので、会議室で通訳に使う音声機器の設定や配付も自ら行っていました。
通訳の場では、双方の言葉を瞬時に正確に訳すのはもちろん、通訳するのは二人に限らず、数人の間での会話も一人でこなしてしまう「スーパー通訳者」なのです!

 

彼女は、父親の仕事の都合で、米国で生まれた後、すぐ日本に戻りましたが、小学生になるとまた、サンフランシスコに移り5年間を過ごしました。
やはり、子供時代の5年間を現地で過ごしたことが、英語を微妙なニュアンスに至るまで正確に修得すること(特にリスニング)に大いに貢献したのだと思えます。
もちろん、それを基礎にして、通訳者になるための彼女の並大抵でない努力は言うまでもありません。

 

番組の中で、彼女が、通訳しているときの自身の頭の中を說明した内容が、興味深く感じられました。
まず、「英語」を聴き理解した後、「英語」を直接「日本語」に訳すのではなく、理解した内容をいったん「イメージ」として捕えるのだそうです。
次に、その「イメージ」「日本語」で表現し直します。
これを瞬時に、連続して行うのです!
脳、耳、口は、フル回転!
普通だったら、オーバーヒートしてパンクしてしまいます!

 

「英語」「日本語」の間に「イメージ」が介在するというのは、わたしのつたない英語の経験でも感じていたことでした。
会社で働いていた頃、毎日、車で会社と自宅を片道1時間余りかけて通勤していました。
この往復の通勤時間をなんとか有効活用できないものかと考え、英語のリスニングにあてることにしました。

 

CNN ENGLISH EXPRESSの CD を車中に流しっぱなしにし、耳を鍛えようとしました。
英文を読むのは、そこそこできたのですが、次々と耳に押し寄せる流暢な米国英語の波はとてつもなく速く、「あッ!この単語の意味は、確かあれだったかな?」と思っている間に、ひっきりなしに波は打ち寄せ、すぐにはるか後方に置き去りにされてしまうのでした!
それでも、まあ、3ヶ月ほど毎日、往復の車中で聴いていれば、理解できるようになるだろう、とたかをくくっていました。

 

そうして、3ヶ月が過ぎました。
ところが、3ヶ月経っても、状況はほとんど変わりませんでした!
相変わらず英語の大波の速さに圧倒され続け、内容の把握には至りませんでした。
その後も、理解できないながら意地になってリスニングを続けました・・・

 

3年が経過したある朝、いつものように運転しながら CNN のニュースに耳を傾けていました。
特に、集中して聴いているわけでもなく、BGM のような聴き方でした。
その時、「英語のひとかたまり」が耳に入ってきました。
個々の単語を意識していないので、「英語のかたまり」が風のように耳を吹き抜けていったようでした。

 

突然、ある「イメージ」が浮かび上がるのを感じました!
それは、耳を通り抜けていった「英語のかたまり」の意味するものだったのでした。
「英語」でも「日本語」でもなく、言語の根源となる「イメージ」!
この「イメージ」の存在をはじめて身をもって知ることができた瞬間でした。
もちろん、これですべての英語が聴き取れるようになったわけではありませんが、それからは、「英語」は、超スピードで流れていく個々の単語にこだわらず「かたまり」としてとらえ、全体の「イメージ」を把握しようとすればよいのだと思えるようになりました!

 

わたしが経験した「イメージ」が、「スーパー通訳者」「イメージ」と相通じるのではないかと、おこがましくも思った、昨夜のひとときでした・・・

 

「英語」の上にも三年、「英語」は「かたまり」の「イメージ」だ!!

 

 

 

「世界卓球」と ジャズピアノ

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今「世界卓球」が面白い!
男子も女子も若手が大活躍で連日話題をにぎわしています!
特に普段から卓球に注目していたわけではないからなのか、いつの間にこんなすごい若手が育っていたのか、と驚くばかりです!

 

男子は、なんと13歳中学生の張本選手!
あのオリンピック銅メダリストの水谷選手を終始圧倒し、とうとう打ち負かしてしまいました!
女子は、17歳の平野美宇選手!
今年4月に行われた「アジア卓球選手権大会」の女子シングルスでは、21年ぶりの優勝を勝ち取り、この「世界卓球」では、48年ぶりとなるメダル獲得が確実となり、なお、優勝を目指して決勝進出を賭ける試合が目前に迫っています!

 

年配者の間でも卓球は人気のようで、体育館では、いつも大勢の昔の若者(?)が、ラケットを振り回して白いピンポン玉を追いかけています。
卓球は、特別の装備もいらないので手軽に始められ、運動量も年齢に応じて簡単に調整できるからなのでしょう。

 

わたしは?と言いますと、今は、ピンポンの「白球」を追いかけるより「白鍵」を追いかける指の運動に夢中になっています!(黒鍵も追いかけますが)
今、特に集中して練習しているのは、コード進行の基本となる「ⅡーⅤーⅠ(ツー・ファイブ・ワン)」のフレーズです。

 

ジャズ・フレーズ集を買って、「ⅡーⅤーⅠ」フレーズを少しずつ無理をせず、指に馴染むように何度も何度も弾き込んでいます。
初めのうちは、指の動きもギクシャクし、脳もまた同じように、短いフレーズなのに、すぐ次に弾く鍵盤を探すのに精一杯でパニくってしまいました!
頭の中はカオス!ここはどこ?わたしはだれ?

 

ところが、毎日続けていると、えらいもんで、少しずつ手指(特に右手)の動きが柔軟になってくるのが自分でも感じられるのです!
例えば、目の前に手の平をいっぱいに広げ、5本の指に力を入れて速くバタバタ動かすと、まるで大きな蜘蛛が長い足を動かしこちらを威嚇しているかのように見え、自分でも気持ち悪くなってしまいます!(そんな、アホな!)
それほど、柔軟に動くようになってきたのです!

 

「手は第二の脳」とも言われますが、それほど脳と手指は直結しています!
錆びついた歯車のようにギクシャク動く手指を訓練し、やがてしなやかで柔軟な指運びに仕上げる、ということは、コチコチに乾き固まった脳のヌカ味噌が、毎日かき回され、やがて美味しい漬物を生み出す柔らかくて潤いのあるヌカ味噌に仕上がることにつながります!
年配者の「ボケ防止」に最適です!

 

卓球やジャズピアノのしなやかな動きは、日々の訓練の賜物!!