定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

モバイル・キーボード と 年老いた山羊

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建国記念日の振替休日明けの今日、孫たちは学校へ、家内はお友達の会合へ出かけ晴れて自由の身(?)となったので、外へ繰り出しました。
休日に何年ぶりかで降った雪も今日はほとんど姿を消し、吹く風に冷たさは感じるものの、降り注ぐ陽の光に微かに春の暖かさを感じながらいつもの散歩道を辿りました。

 

途中、散歩のときにたまに寄る蕎麦屋で昼食にカレー南蛮を食し、その近くの図書館に向かいました。
平日の昼過ぎなのに机の席は一杯!
高齢者だけでなく、入学試験を間近に控えた受験生が早くから陣取っているからです!

 

やっと一つ空いた席を見つけ、ショルダーバッグから読みかけの本「1Q84」Bluetoothモバイル・キーボードを取り出しました。
ハードカバー本とノートパソコンをショルダーバッグに入れて長く歩くのは少し負担に感じるので、軽くてかさばらない折りたたみ式モバイル・キーボードにしたのでした!
もう7年か8年前の REUDO の製品ですが、iPhone6 Plus ともペアリングでき快調にタイピングできます!

 

この REUDO の折りたたみ式キーボードは、広げると両手でタッチタイピングがスムースにできます。
また、iPhone Plus の画面でも、横置きにしてブログは十分入力できます。
モバイルには、本当に便利なスグレもの!

 

ここでもう少しブログを書いて本を読んだ後、いつもの散歩コースで家路につく予定です。
その途中、ある生き物(?)を目にすることになります。
珍しくも犬や猫でなく、山羊(!)を飼っている家の前を歩くからです!
いつも山羊を飼っている柵の前で立ち止まり、しばらく眺めます。

 

山羊は狭い柵の中で、ときによって、立っていたり伏せっていたり、メエ〜メエ〜と鳴いたり黙っていたり、馴れ馴れしく近づいて来たり背を向けて無視したり、と様々な反応を見せます。
かなり年老いた山羊のようで、ツノは長く伸びて渦巻き状に巻いていて、これでは敵が襲って来てもツノで太刀打ちできません。(もっとも敵が襲うことはありませんが)
じっと山羊を眺めていると、何か言いたそうな目をしています・・・

 

「お前もヒマじゃのう!!」

 

 

 

「バッテラ・源氏物語・1Q84」と 移ろいゆく嗜好

1Q84 BOOK 1

定年後の生活を送るようになってからすでに数年を経た今まで、自分では性格や嗜好は二十歳(はたち)の頃とほとんど変わっていないという自覚がありました。
ところが、ここ数年のことを振り返ってみると、そうとも言えないという気がしてきました!

 

子供の頃から鯖が大嫌いでした!
あの青くヌメヌメと光るまだら模様の皮!
皮のすぐ下にある脂ぎった生臭い身!
バッテラ(しめ鯖の押し鮨)を食べるときは、いつも鯖の身を取り除き、上にのせている薄い昆布と下のすし飯だけを食べていました。

 

先日、家内とスーパーへ買い物に行ったとき、イートインスペースで昼食をとりました。
テーブルに買ったばかりの食品がいくつか並び、その中にバッテラがありました!
家内は、美味しそうにバッテラを食べていました。
それにつられて、ひとつ試してみようかと思いました。
実は、自分でも味覚が最近少しずつ変わってきているように思っていたからでした。

 

箸でバッテラを口に持っていくとき、鯖のギラギラした青い皮に一瞬とまどいましたが、思い切って口に放り込みました!
すると、酢・塩・すし飯・旨味のある鯖の切身の味が口の中いっぱいに広がりました!
(なかなかいけるじゃないか!バッテラも捨てたもんじゃない!)
さながら「孤独のグルメ」の主人公井之頭五郎のように、ニンマリしながらバッテラの余韻を味わいました・・・

 

年をとるに連れて変わってきたのは味覚だけではありませんでした。
若い頃あんなに抵抗があった「日本史」や「日本古典文学」が急になつかしく思えてきたのでした!
若い頃は外国(西洋)にあこがれ、「日本史」よりも「世界史」、「日本文学」よりも「外国文学」、「古文」よりも「外国語」により興味を持ちました。

 

特に、大嫌いだったのは「古文」!
どこに単語の区切りがあるのかハッキリせず、主語も省略することが多く、すべてがアイマイ!
まるでタコかイカの軟体動物のように、ヌルヌルと捉えようがない!
辞書を引いただけでは理解不可!(英語だったら辞書を引けば一目瞭然!)

 

ところが、ところが、そんなに嫌っていたヌメヌメした「古文」がどうしたことか魅力的に思えてきたのでした!(ヌメヌメした鯖の皮と同じ?!)
そうして、三年ほど前、「日本古典文学」を立て続けに読みました!
もちろん、原文下の注釈に首っ引きでしたが、できるだけ原文の響きを生かすため、現代語訳のない本で読みました。
奥の細道」「更級日記」「紫式部日記」「徒然草」「古今和歌集」「枕草子」「平家物語」そして「源氏物語」・・・

 

源氏物語」は読み通すのに4ヶ月を要しました!
最初のうちは「やまとことば」を追うのにギクシャクし、なかなかページが進みませんでしたが、慣れとは恐ろしいもので、古文に触れる時間が増すに従って徐々に古文のリズムに乗るようになりスムースに読めるようになっていきました。
そして、最後の「宇治十帖」では、予想をくつがえす驚きのストーリー展開もあり、まるで現代小説を読むようにドキドキ・ワクワクしながらページを繰りました!

 

最近、味覚や嗜好に変化が見られるのは、歳のせいで古風なものへの愛着が湧いてきたからなのでしょうか?
一概にそうとも言えないようなのです!
最近になって急に、それまでずっと遠ざけてきた村上春樹氏のフィクションの面白さが分かってきたように思えるからです!
風の歌を聴け」「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の中編小説を読んだ後、今さらに、長編小説「1Q84」を面白く読んでいる最中なのです・・・

 

「バッテラ・源氏物語・1Q84」ゆくえ知れない嗜好の旅!!