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定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

「完本 1976年のアントニオ猪木」と「リアルファイト」

完本 1976年のアントニオ猪木 (文春文庫)

 力道山の「空手チョップ」とザ・デストロイヤーの「4の字固め」の息詰まる攻防戦!

団塊の世代が小学生だった頃、みんな「プロレス少年」でした。
近所の仲間とよくプロレスごっこで「キーロック」や「4の字固め」の真似をして遊びました。

 

成人してからは、プロレスに注目することもなくなりましたが、それでも、評判になるような大きな試合はやはり血が騒ぎ、見続けました。

 

アントニオ猪木 vs. モハメド・アリ
アントニオ猪木 vs. ウイリー・ウイリアム
船木誠勝 vs. ヒクソン・グレイシー
桜庭和志 vs. ホイス・グレイシー
・・・・・

 

書店の店頭で「完本 1976年のアントニオ猪木」(柳澤健の文庫本を見た時、オヤッ?と思い手に取りました。
タイトルの「1976年」とは何なんだろう?と不思議に思ったのでした。
それは、今から41年前の1976年、アントニオ猪木が戦ったきわめて異常な4試合が、その後のプロレス界が進む方向を読み解く端緒となっていたのでした!
その時アントニオ猪木が戦った相手は、次の4人でした。

 

ミュンヘンオリンピック柔道無差別級・重量級優勝者、ウィリアム・ルスカ
②ボクシング世界ヘビー級チャンピオン、モハメッド・アリ
③米国で活躍中の韓国人プロレスラー、パク・ソンナン
パキスタンで最も有名なプロレスラー、アクラム・ペールワン

 

このうち、は「異種格闘技戦」。
この後、人気を博する「異種格闘技戦」は、このときから始まったのだそうです!
そして、②③④は、前もって勝敗や筋書きが決められていない「リアルファイト」だったそうです!

 

③④は、当時も評判にはならず、わたしもこの本を読んではじめて知ったくらいでしたが、のモハメッド・アリ戦は、当時のテレビ視聴率も38.8%と高い関心を呼び、わたしもテレビの前で息を呑んで試合開始を待っていたのを覚えています。

 

世紀の決戦が始まると、猪木・アリ戦の当時の視聴者のほとんどがそうだったように、わたしも、両者がガッチリぶつかり合い、互いの技を競い合う熱戦が繰り広げられるのが今か今かと苛立ちながら試合を見守っていました。
しかし、アリは仁王立ち、猪木はマットに寝た姿勢でキックはするものの、ついに、本格的な戦いに入ることなく、失望のため息とともに試合が終わってしまいました!

 

この本の作者によれば、それこそが「リアルファイト」なのだそうです!
「4の字固め」や「バックドロップ」などの華麗なプロレス技は、「リアルファイト」だとあざやかに決まるわけがなく、技をかけられる相手の協力がないとダメなのだそうです!
派手で華麗な技ばかりに目を奪われていては、「リアルファイト」の魅力が分からないのだそうです。

 

この試合が「リアルファイト」で行われるようになった経緯が、詳しく說明されています。
そして、1976年以後、アントニオ猪木は、「リアルファイト」を戦っていないのだそうです。
その後、プロレス界は、「異種格闘技」を経た後、「リアルファイト」そのものの「総合格闘技」へと進展していきます・・・

 

日本のプロレスを変えた「1976年のリアルファイト」!!

 

 

 

"boys mature slow" と ジャズ・アドリブ

Boys Mature Slow

 47歳からのニューヨークジャズ留学記「9番目の音を探して」(大江千里を読んだ後、さっそく著者のジャズ第1作目のCD "boys mature slow" (Senri Oe) を聴きました。

直訳すると「少年はゆっくりと成熟する」というタイトルは、自身の遅くしてジャズの世界に飛び込んだ想いを表しているのでしょう。

 

このCDには、わたしが若い頃、耳にした作者のポップな軽やかな曲調とは異なり、苦味を含んだニューヨークのジャズの香りが漂っています。
さすがに、耳も追いつけないほどのピアノの速弾きはありませんが、わたしのようにジャズピアノ練習の入口近くをウロウロしている者にとっては、参考になるフレーズを聴き取れる良い教材になるかもしれません!

 

最近、ジャズピアノの練習を再開したわたしは、もちろん(!)「アドリブ」はできません。
「枯葉」の初心者用の「アドリブ」の見本の楽譜をそのまま覚え、途中つっかえながらもなんとか弾き終える、という超低級レベルなのです。
ひとに聞かせるわけでなく、自分が楽しめればよいので、これで充分なのですが・・・

 

今まで、CDを聴いてはその音の運びにあこがれ、また、ジャズピアノをやってみようと思った動機でもあった「アドリブ」ですが、まるで雲かカスミのように、まったく捕えようがありませんでした。
練習しようにも、どうして練習すればよいのかもわからない、という状態でした。

 

そこで、基本に戻って、最近練習している「枯葉」を参考にして、「アドリブという得体の知れないもの」をまず、頭の中でおおまかにイメージとして捕えてみようと思いました。
今までの長い人生の経験から、頭の中でイメージをつかめたときから、習い事は急速に進歩するという確信があったからです。
習い事に限らず、仕事の面でも当てはまりました。

 

目指すのは、「アドリブ」そのものではなく、「アドリブ」を入れる「枠組み」の確認、言い換えれば、「アドリブ」をするための踏切台を確認することです。
ただし、これは、あくまでも我流で考えたことなので、間違っている場合は、悪しからず!

 

「枯葉」の曲は、A(8小節)A’(8小節)B (8小節)C(8小節)32小節で構成されています。
この構成は、全体として、物事の進み方を表わす「起承転結」を形作っています:「起(A)・承(A')・転(B)・結(C)」
曲中の部分的な「起承転結」は、音楽用語の「ⅡーⅤーⅠ(ツー・ファイブ・ワン)」で表されます。
物事が起こり(起・Ⅰ)、進行し(承・Ⅱ)、急転回を遂げ(転・Ⅴ)、収まります(結・Ⅰ)

 

わかりやすくするため、「枯葉」のコードを単純化すると、主要な「ⅡーⅤーⅠ(ツー・ファイブ・ワン)」は2つに絞られます。
① Cm - F7 - B♭
② Am - D7 - Gm
①は3小節から成り、3箇所で出てくるので、曲全体では9小節分になります。
②も3小節から成り、5箇所で出てくるので、曲全体では15小節分になります。

 

合計すると、「枯葉」1コーラス32小節のうち、実に4分の3に当たる24小節が「ⅡーⅤーⅠ(ツー・ファイブ・ワン)」で占められているのです!
残り8小節は、「ⅡーⅤーⅠ(ツー・ファイブ・ワン)」の橋渡しや休止部と見ることができます。

 

すなわち、一見複雑な様相を呈するコード進行は、極論すれば、すべて「ⅡーⅤーⅠ(ツー・ファイブ・ワン)」に還元されてしまう、ということなのです!
アドリブを練習するには、「ⅡーⅤーⅠ(ツー・ファイブ・ワン)」に的を絞ればいいのです!

 

「ⅡーⅤーⅠ(ツー・ファイブ・ワン)」の気に入ったフレーズを、CDや楽譜から採取し、指に慣れるまで練習し、フレーズストックを増やしていけばいいのです。
キーを調整すれば、どの曲のフレーズも使えるはずです。
そのとき、最初に紹介したCD "boys mature slow" (Senri Oe) が役立つことでしょう・・・

 

ターゲットは "ⅡーⅤーⅠ"、S-h-o-o-t!!