「十五の夏」を読み始めたところ。
作者は、元外務省主任分析官、現在多忙を極める売れっ子作家の佐藤優氏。
これまで、新潮ドキュメント賞その他の受賞に輝いた「自壊する帝国」「国家の罠」「私のマルクス」などを読み、時代や政治状況に対する深く鋭い分析力とその並々ならぬ筆力に驚嘆したものでした。
この「十五の夏」は、佐藤氏が15歳高校1年生の夏休みにソ連や東欧諸国を巡った旅行記なのです。
眼光鋭くどっしりした風貌からか一時は「外務省のラスプーチン」と呼ばれた佐藤氏も、表紙に掲載された高校時代の写真では、少年から青年への途上のまだあどけなさが残るイケメンそのもの!
それでいて将来の活躍をうかがわせる落ち着いた眼差し!
読み出して、読み進むごとに驚いたのは、その抜群の記憶力!
30数年余り前の食事や会話の内容などを微に入り細に入り実に細かいことまで正確に記憶しているなんて!
こちとらは、数日前のことなんかも、あれっ、そうだったっけ?とうろ覚えなのに・・・
氏は後に、マルクス経済学に興味を持ち、大学卒業後外務省に入省し、ロシア日本国大使館に勤務することになりますが、高校1年生にして早くも初めての海外旅行の行き先として社会主義国を選んでいるのでした。
佐藤少年は、現在では考えられない手間と時間のかかる非効率な社会主義国の事務手続きを辛抱強くこなしながら、今は亡き社会主義の国々を見て回ります・・・
栴檀(せんだん)は双葉(ふたば)より芳(かんば)し!!