「梟(ふくろう)の城」(司馬遼太郎)を読みました。
司馬遼太郎の本を読んだのは久し振り!
そう言えば数年前、司馬遼太郎の本ばかり読んでいた時期があったっけ。
歴史を見透す作者の確かな眼で見守られ、生き生き動き回る登場人物は魅力的で、読み始めるとすぐに物語の世界にどっぷりはまり込んでしまいました。
定年後の生活を送るようになって初めて司馬作品の面白さに目覚め、江戸・幕末・明治と主人公とともに時代を生きた感覚を覚えました。
その頃、東大阪市小阪の「司馬遼太郎記念館」へも足を伸ばし、安藤忠雄氏設計の建物を感慨深く見上げたことがありました。
記念館を訪れた後大阪城に立ち寄り、大坂冬の陣・夏の陣を描いた「城塞」を頭に思い浮かべながら天守閣に登りました。
「梟の城」は氏の初めての長編小説で、直木賞受賞作であり、しかも忍者が主人公となったこれまた初めての小説だそうなので、面白くないはずがない!
超人的な身のこなしや技(わざ)を駆使して戦いを繰り広げる忍者の戦いに、眼はページにクギヅケ!
世に広く知られてからの氏の作品は、大河の流れのように余裕を持って悠然と物語が流れて行く印象がしますが、この初期の作品ではさすがにその余裕はなく、絶えず緊張感を抱きながら読み進めたように覚えています。
それがまた緊迫した忍者の世界と相まってより一層面白みを増しているようでした・・・
久しぶりに忍者と駆け巡る司馬ワールド!!