定年後のゆる〜くたのしい日々

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「オールド・テロリスト」と 稀代のストーリーテラー


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オールド・テロリスト (文春文庫)

「オールド・テロリスト」(村上龍)を読みました。
読み始めて、読み進んで、その迫力のすごさに圧倒されました!
氏の他の作品もそうですが、物語のスケールの大きさとテロ現場の描写の凄まじさ・・・

 

読み始める前、タイトルから勝手な想像をしていました。
以前、テレビ番組の予告編で「三匹のおっさん」を見たことがありました。
三人のおっさんシニアが町内にはびこる悪を退治する、というコメディー・タッチのドラマでした。
「オールド・テロリスト」も勝手な思い込みですがその手の物語かな、と思っていました。

 

ところが、ところが!
最初のテロ事件が勃発すると、現場に居合わせた主人公とともにテロ現場のあまりの凄惨さにビビってしまいました!
その後に続くテロは、さらに悲惨さが増し、どんどんエスカレートしていくのでした。
とてもとてもコメディー・タッチのドラマどころではなかった!

 

また、途中からとてもシュールな若い女性が登場し、事件の解明に主人公と行動をともにします。
この超ケッタイな、それでいて超魅力的な女性は、最近までずっと読んでいた村上春樹氏の物語によく登場する若い女性を思い出させました。
と言っても、同じ「村上」姓で同時代の作家ですが、両人の描く物語世界はまったく両極端!
どちらもすご〜く魅力的ですが、一方はメロウ&ソフト、他方はタフ&ハード!

 

作者の村上龍氏は、毎週カンブリア宮殿でホストを務めていますが、口数はあまり多くないように見受けられます。
アシスタントの小池栄子の方がゲストにより多く質問し、コメントを述べています。
しかし、氏の作品を読むと、その雄大で揺るぎない構想力、豊かな想像力、饒舌な表現力に圧倒されるてしまうのでした・・・

 

寡黙な稀代のストーリーテラー!!