定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

「羊と鋼の森」と ピュアな世界


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羊と鋼の森 (文春文庫)

「森の匂いがした。」
書き出しのこの一文にグッと心をつかまれ、この本「羊と鋼の森」(宮下奈都)を最後まで読み通してしまいました!
この作品は、2016年に本屋大賞に選ばれ、6月8日からは映画が公開されています。

 

高校を卒業してピアノの調律の道を目指す青年が、とまどいながらも調律師として、また一人の若者として成長していく物語です。
美しく繊細でピュアな世界が描かれています。

 

読み始めてページを繰りながらオヤッと思いました。
ずっと短い文章が並んでいて、歯切れのよいリズミカルな印象を与えています。
まるでピアノの鍵盤から出た一音一音が連なっているようです・・・

 

つたないながらも我流で気が向くとピアノに向かうときがありますが、なかなか「いい音」を出すのはむずかしいものです!
電子ピアノなのでピアノ本体に取り付けられているスピーカーの性能によって鳴り響く音が制約を受けます。
それで、わたしは本物のピアノ音をサンプリングした音が聴けるヘッドホンを装着してピアノを弾くことが多いのですが、それでも「いい音」はなかなか出ません。

 

この物語の高校生の主人公はピアノを弾いていませんでしたが、ある日ふとしたことから高校の体育館で調律中のピアノの音に魅せられたことから、ピアノが奏でる深い深い森に分け入ることを心に定め、清らかな物語が始まります・・・

 

ピアノの鋼に響く羊のピュアな鳴き声に耳を澄ませよ!!

 

羊と鋼の森 (文春文庫)

羊と鋼の森 (文春文庫)