定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

「騎士団長殺し」と「和」の匂い


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騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

久しぶりに YOGABOOK を持ち出してマクドでブログを入力しています。
風はまだひやっとする感じがありますが、日差しはもう春そのものですでに桜があちこちで満開を迎えている知らせも報じられています!

 

テーブルに置いているショルダーバッグには、YOGABOOK と一緒に騎士団長殺し」(村上春樹も入っています。
もう少しで第1部を読み終えるところです。
村上作品はまだそれほど多く読んでいないながら、この最新の長編小説は、他の物語といささか趣が異なっているように感じられました。
・・・・・

 

YOGABOOK で上の文章を入力した翌日の今、これを入力しているのは Chromebook Flip 100PA !
やっぱりバーチャル・キーボードは入力しづらくキツイ!
リアル・キーボードもずっと使っていると当たり前でなんとも感じなくなってきますが、ときどきバーチャルを試した後リアルに戻ってくると、そのアリガタサを痛感することになります!

 

さて、上にも言ったとおり、村上作品はまだ数多く読んでいませんが、それでもそれらの中長編小説に系統の違いが見られることを感じました。
(下記の系統分けはあくまでもわたしの個人的な感想によるもの)

 

ひとつは、作者と作者を取り巻く環境を物語の舞台に設定したと思われる作品(もちろんフィクションなので事実そのままではありません)
風の歌を聴け
羊をめぐる冒険」前半部
ノルウェイの森

 

もうひとつは、現実から大きく遊離した世界が現出する作品
羊をめぐる冒険」後半部
「1Q84」
騎士団長殺し

 

また、このところ昨年発表された騎士団長殺しに取り組んでいますが、そのなかでオヤッと思うことがありました!
多分に海外、特にアメリカ文学に心酔し、作品にもその影響がうかがわれる村上作品ですが、この最新の長編小説を読んでいると、その中にほんのりと「和」の匂いが立ち上っているのに驚きました!

 

たとえば、まだ第1部しか読んでいませんが、江戸時代の上田秋成や明治時代の森鴎外の作品に言及するシーンが現れます。
もっと重要なシーンもありますが、ネタバレになると思われるので・・・
これらは、これまでの特に若い頃の作品にはまったく見られなかったことです。

アメリカ文学の強い影響のもとに芽生えた村上文学ですが、その後、実績を積み、幾多の賞を獲得し、毎年ノーベル賞の有力候補にも挙げられ、堂々たる世界文学の巨木にまで成長した現在、自らのルーツである「和」をもう一度見直し、作品にも取り込もうとされているのでは?と勝手に想像しています!

 

というのも、見当違いを承知で言いますと、作者とほぼ同じ団塊世代後期に所属する当方は、還暦を過ぎたあたりからどうしたことか、若い頃からずっと拒絶反応を示していた「日本歴史」「日本古典文学」「古文」、さらには「生まれ育った郷土」に対する関心・興味がふつふつと湧き上がってきたのでした!
むりやり自分のことに引き寄せて論じている感は否めなくはありませんが!
いずれにせよ、作者は一作ごとに新境地を開くべく、絶えずフロンティアを目指して突き進んでいるのでしょう・・・

 

(村上作品の読書感)
初夏の木陰のイスに座り

しい風に吹かれている気持ちよさ!!