定年後のゆる〜くたのしい日々

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「介護士からプロ棋士へ」と 遅咲きのプロ棋士


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介護士からプロ棋士へ 大器じゃないけど、晩成しました

今、将棋界で破竹の勢いを見せている藤井四段が、中学生で史上はじめての五段への昇段決定が昨日報じられ大きな話題となりました!
藤井五段が、この半年間戦ってきたクラスは、順位戦C級2組
この組に所属する50人の棋士は、それぞれ10戦ずつ戦い、その戦績の上位3名(たったの3名!)が昇格・昇段を果たし、下位3名が降格する、というとてつもなく厳しいアリーナ!

 

藤井五段は、その鬼のC級2組の中で、最終戦を残すのみとなった今まで、9戦全勝という恐るべき強さを見せつけ昇格・昇段を成し遂げたのでした!
まさに天才中の天才!

 

C級2組で、すでに昇格・昇段を決めた藤井五段のほか、上のクラスに上がれるのはあと2名になります。
藤井五段に続く戦績は7勝2敗で、これを持つ5名の間で2つの枠が争われます!
この5名の中、非常に特異な経歴を持つ一人の棋士が、先日、テレビのワイドショーで紹介されました。

 

今泉健司四段!
現在44歳で、プロ棋士になったのがナント41歳!(遅咲きのプロ棋士!)
もっと詳しく知りたいと介護士からプロ棋士へー大器じゃないけど、晩成しました」(今泉健司)を読みました。

 

今泉四段は、まさに将棋ひとすじの執念の人!
小学2年で将棋を覚え、14歳でプロを目指し奨励会入会。
順調に昇格を重ね20歳で三段になり、あとはプロ棋士となる四段にもうひとつ昇格するのみ!
ところが、ここで何年も足踏みが続き、プロ棋士の上限年齢である26歳まで、ついに昇格を達成することができず、念願のプロ棋士をあきらめざるを得なくなりました!

 

奨励会退会後は、地元の広島で調理師や将棋教室の指導に当たるなどしましたが、将棋をあきらめることができず、アマチュア戦に参加するうちにアマチュア全国大会に優秀しました。
このとき、タイミングよく将棋界に新しく導入された新制度のおかげで、試験を受けた後、33歳にして再び三段に復帰することができました!
プロ棋士の四段になるには、この後2年の間に昇格することが必須になります。

 

2年後の35歳のとき、とうとう昇格できず、無念にも再び退会となりました!
退会後は、広島福山市介護施設介護士として働きました。
介護士の仕事とともに将棋アマチュア戦も続け、各種アマチュア大会で次々と優勝するようになりました!
そして、41歳のとき、規定をクリアし三段に再復帰した後、念願の昇格を果たし、ついに夢にまで見た「四段プロ棋士」になることができたのでした!

 

この本を読んでつくづく感じたのは、将棋は戦術や定跡などの「テクニック」がすべてではなく、「メンタル」の方がより重要なのだ、ということでした!(これは、将棋だけに限らず、すべてに当てはまるのでしょうが)
念願の夢が成就したのが、感情の起伏の激しい自分中心の若い頃ではなく、絶望の時期を何度も経験し、また、介護の仕事を経験したり自分を応援してくれる人たちとふれあったりするなかで世の中や人の見方が変わるに至った41歳だった、ということなのでした・・・

 

遅咲きのプロ棋士、残る最終戦ガンバレ!!