定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

嵐の後の朝 と 忘却のピアノ曲


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Summer

嵐が去った後の静かな朝・・・
文字通り、台風が近畿の近くを通り過ぎました・・・
二転三転、大荒れの選挙も終わりました・・・
物議を醸した村田の再戦も村田のTKO勝利で幕を閉じました・・・
元気な孫たちは土日の休みが過ぎ小学校へ行きました・・・

 

静かな朝、ほそぼそと続けているジャズ・ピアノの練習をしようか!?
いつもピアノでやっているのは、曲のメロディーを弾くのではなくて、アドリブを弾くための練習です。
まず、スケール練習で指慣らしをし、今まで覚えたツー・ファイブ・ワンのジャズ・フレーズや初心者用のアドリブ見本を弾きます。
こういうのはいつも弾いていないとすぐに忘れてしまいます。
以前、練習を怠ったことからの痛い思い出がよみがえってきました・・・

 

ピアノの独習を始めた初老の頃、ピアノ曲「SUMMER」(久石譲作曲・演奏)を聴いて感動し、すぐに楽譜を手に入れて練習し始めました。
練習といっても、まだピアノも触り始めたばかりで、音符を見ながら弾けるわけでもなく、音符の一音一音と鍵盤の一つ一つを突き合わせて、鍵盤を押さえる指の動きをそのまま丸暗記するしかできませんでした!

 

今振り返っても、呆然とするような、たとえて言えば、大阪から東京まで歩いて行くようなものです!
これをどれだけかかったか今では忘れてしまいましたが、とにかく一曲分の指の動きをまるごと覚えてしまいました!
やっと手に入れたこの曲を忘れないように来る日も来る日も引き続け、これだけ弾き込めば少々ピアノに触れない日が続いてもまず大丈夫だろうと思えるようになりました。

 

そのうちに、赤ちゃんだった孫が育ってきて、わたしがピアノを弾いているとすぐに走って来て、ピアノに触りじゃまをし出しました。
小さい子は音に敏感で、夢中になって鍵盤を押しては跳び出る音に驚き喜びました。
わたしは、思うようにピアノが弾けなくて、しだいにピアノから遠ざかるようになりました。

 

それから数年経ったある日、ようやく孫がピアノにあまり興味を示さなくなってきたので、ふと思い立って、久しぶりにあの膨大な時間をかけて苦労して覚えた「SUMMER」を弾いてみようと思いました。
大丈夫、あれだけ弾き込んだ曲です、忘れるわけがありません!
イントロ部分を両手の指が鍵盤をスムーズに押さえていきます。
何百回繰り返したかわからない通り慣れた道筋です!
順調にあのなつかしいメロディーが流れていきます・・・

 

ところが!
ある地点で指がピタッと止まってしまいました!
宙に浮いた指が行き場所を失って途方に暮れています!
どうしたッ!
それまでくっきりと刻まれていた道が、突然かき消されて進む道筋がまったく見えません!
指の記憶がプッツリ切れてホワイト・アウト!
この後、指が記憶を取り戻すことは二度とありませんでした・・・

 

忘却のかなたに沈むピアノ曲「SUMMER」!!