定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

「番所(ばんどこ)庭園」と 至福のひととき


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昨日、孫たちを連れて、和歌山の「番所(ばんどこ)庭園」に行ってきました。
わたしは、和歌山市で生まれ育ったのですが、つい最近までこの庭園の存在を知りませんでした。
ここは、それほどメジャーな観光スポットではなく、知る人ぞ知る隠れ絶景スポットなのかもしれません。

 

「番所(ばんどこ)庭園」は、万葉の時代から風光明媚で有名だった和歌の浦のすぐ近くにあり、切り立った断崖からの海の眺めがすばらしい雑賀崎(さいかざき)の一角にあります。
細長く雑賀(さいか)の浦に突き出た断崖からは、紀伊水道を隔てて淡路島や四国徳島、遠くは神戸六甲山まで見晴らすことができます。
辺り一帯の岩は青みを帯び、波に洗われた岩から細かい砂粒が海水に溶け、さながら珊瑚礁の海のように海は一面青く染まっています。

 

そもそも「番所(ばんどこ)」とは「見張り番を置いている場所」という意味です。
今から160年ほど前の幕末、ペリーが黒船に乗って浦賀に来た後、国防策の一環として、黒船を威嚇・襲撃するための砲台を設置する場所、すなわち「お台場」とともに、黒船来航を見張る場所として、急遽設けられたのでした。

 

異国の船に怯えた幕末とは一変し、今の「番所(ばんどこ)」は、よく手入れの行き届いた日本庭園に生まれ変わり、涼しい潮風に吹かれながら海を見下ろす絶景を堪能することができます。

 

また、バーベキューの設備も備わっていて、焼肉を頬張り、ビールを流し込みながら、遠い万葉の時代や幕末動乱の時代に思いを馳せるという贅沢を味わいました。
あまり知られていないからなのか、日曜日にもかかわらず訪れる人はまばらで、昼頃の園内は自分たちだけの貸切状態のようになり、ゆっくりと至福のひとときを過ごすことができました・・・

 

紀の国の 雑賀(さひか)の浦に 出で見れば
   海女(あま)の燈火(ともしび) 波の間ゆ見ゆ万葉集