定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

「ウルトラ・ダラー」と ミサイル

ウルトラ・ダラー (新潮文庫)

ウルトラ・ダラー」(手嶋龍一)を読みました。
手嶋氏は、元NHKワシントン特派員で、9.11のときもワシントン支局長として11日間にわたる昼夜の中継放送を担い、その後は、外交ジャーナリスト・作家として活躍しています。
テレビにもコメンテーターとして頻繁に顔を出し、外交問題に独特の視点から切れ味鋭いコメントを発しています。

 

今回、手嶋氏の本を読むのは初めてでした。
テレビ画面では、いつもキチッとスーツに身を包み、端正な佇まいでズバッと問題の核心に迫るのを目にしているので、小説といっても堅苦しくあまり面白みがないのでは?と読み始める前は思っていました。
そこで、お手並み拝見!という意味で、彼の小説の処女作ウルトラ・ダラーを読むことにしたのでした。

 

ところが、読み始めると、元NHKの特派員が初めて書いたものとは思えないほど、書き方・ストーリーが柔軟でよく練られていて驚きました。
良い意味で期待を大きく裏切られました!
外交や政治にまつわるディテールは専門なのでお手の物だと思いますが、料理やファッションなどにも造詣が深く、ときには、それらの微に入り細に入る描写をうるさく感じることもありましたが、全体として面白く読めました。

 

タイトルのウルトラ・ダラーとは、本物とほとんど見分けがつかない偽ドル札を意味しています。
この偽造元はどこなのか?国内外の種々のルートで秘密裏に調査が行われます。
英国、米国、仏国、ロシア、日本を舞台に、手に汗握るストーリーが展開されます。
そして、ついにその国が特定され、「ウルトラ・ダラー」を偽造する目的もあぶり出されます!
さらに、その偽造国の背後に見え隠れする巨大な影とは?!

 

この本は、今から11年前に発表されたものですが、今現在、世界が抱える大きな国際問題に直結しています!
最近、テレビのニュース番組で取り上げられない日はないほど世界が固唾を呑んで注目している、某国のミサイル問題もすでにこの本で取り上げられています!
そして、この11年間、放置された問題はどんどん膨れ上がり、今まさに破裂する寸前に至っています!
そういう意味でも、11年前に世に出たこの本は、古くなるどころかまさしく今を予言するものなのです・・・

 

外交ジャーナリストが暴く「ウルトラ・ダラー」とミサイルのつながり!!