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定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

「冬のアゼリア」と 近現代史

冬のアゼリア 大正十年・裕仁皇太子拉致暗殺計画 (文春文庫)

この前読んだ「オホーツク諜報船」と同じ作者の作品ということで、「冬のアゼリア」(西木正明)を読みました。
まず、何と言っても、先の昭和天皇が皇太子だった大正十年、香港で皇太子拉致暗殺未遂事件があったことをはじめて知って驚きました!

 

皇太子(後の昭和天皇)が欧州歴訪の途上、香港に寄港し、歓迎式典に招待されます。
その日程を事前に知ったテロリスト集団が、策を練って香港に潜入してきます。
テロリスト集団のリーダーを識別できる刑事が、拉致暗殺計画を未然に防ぎ、テロリストたちを逮捕しようと韓国から駆けつけます。
そして、式典の当日・・・

 

この本は、フィクションですが、皇太子の拉致暗殺未遂事件そのものは歴史の闇に隠れた事実のようなのです!
この事件は日本ではほとんど知られていませんが、作者が、他の作品の資料探しにロンドンの公文書資料館を訪れたとき、偶然にこの暗殺計画に触れた公文書を見つけたのだそうです!

 

中学高校の日本史では、明治時代までは詳しく習いましたが、現代に近づくにつれ学習内容がどんどん簡略化され、最後は時間切れで尻切れトンボに終わっていました。
フィクションということを考慮してこういう本を読めば、興味深く近現代史を学ぶことができます。

 

「平成」も来年、新年号に変わることが報じられるなか、「大正」「昭和」はますます遠くなっていきます!
立ち止まることなく遠ざかっていく過去の時代は、幾重にもベールに覆われ、どんどん現実感が薄れていきます。
そんなとき、歴史をテーマにした物語を読むと、姿を隠していたベールがはがれ、当時の生き生きとした日々の生活を垣間見ることができます。
失われた過去がよみがえってくるのです・・・

 

もうすぐ五月、色鮮やかな日本のツツジ、ほのかに匂う韓国のアゼリア!!