定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

「もうひとつの歴史の顔」と Chromebook


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 昨夜、NHK大河ドラマ真田丸」を見ましたが、いよいよ最終回も近くなり大詰めを迎えています。

 ドラマの流れは、「大阪冬の陣」が終わり、豊臣家の最後となる「大阪夏の陣」へと向かっています。

 真田幸村は、味方の妨害にも屈せず、策を練り強大な徳川勢に立ち向かおうとしています。

 徳川家康は、思慮の浅いわが子二代目将軍秀忠にいら立ち、みずから采配を振るって豊臣打倒を叫びます。

 秀忠は、ただオドオドするばかりで、家康の指図に従うほかありません。

 

 心理学でよく見かける絵があります。(上の絵)

 同じ1枚の絵が、見方によって「若い娘」に見えたり「老婆」に見えたりします。

 「影武者徳川家康」(隆慶一郎)を昨夜読み終えました。

 この本は、ちょうど同じ歴史から「もうひとつの顔」(老婆)を読み取っているようなのです。

 

 「関ヶ原の戦い」から「大阪冬の陣・夏の陣」までを追った物語に司馬遼太郎の「城塞」があり、わたしも以前読みましたが、家康が陰に陽に大阪城の豊臣方に揺さぶりをかけ、豊臣方はその手の平で転がされ、ついには挑発に乗り攻め滅ぼされてしまう、という一般的な歴史の見方と同じ視点でした。

 ところが、「影武者徳川家康」の方は、「城塞」と同じ時期・同じ史実を扱っていながら、影武者が主人公になるのもそうですが、登場する人物たちのそれぞれの思いがまったく正反対なのに驚かされます!

 

 ドジで気弱で、絶えず家康の顔色をうかがい、常にその指示に忠実に従った、とされる秀忠は、実は、陰湿・残酷で執念深く、ことごとく家康(影武者)に敵対し、秀忠こそが豊臣家を滅亡に追いやった張本人であり、家康(影武者)は逆に豊臣秀頼を保護する努力をしていた、というのです!(アンビリバボー!)

 

 文庫本上中下3冊、合わせて2千ページ近くの大部の物語「影武者徳川家康」は、「関ヶ原の戦い」から「大坂冬の陣・夏の陣」に至るまでの史実を改めて裏側から光を当て直し、その結果、「若い娘」と疑っていなかった絵が、ついには「老婆」に一変してしまうという衝撃を読者に与えるのでした・・・

 

 表の顔「ノートパソコン」裏の顔「Android タブレット」、Chromebook!!