山伏姿の弁慶が、眉を吊り上げ目を見開き、ものすごい形相で見得を切った後、万雷の拍手の中、花道を走り去っていきます・・・
テケテンテンテン(三味線)
会場いっぱい、割れんばかりの拍手の渦!
昨日、大阪の国立文楽劇場で見た文楽「勧進帳」の最後の場面です。
半年ぶりに「府民のための半額鑑賞会」に応募して人形浄瑠璃を満喫してきました。
300年前、なにわの町人が観たそのままの人形の動き!
300年前、なにわの町人が聴いたそのままの太夫の声と三味線の響き!
300年前のなにわにタイムスリップし、文楽の世界にどっぷり浸り込みました。
他の演目の舞台では、背いてはならない義理とおさえてもおさえきれない人情とに身を引き裂かれ、苦しみ嘆く女房の人形の姿を通して「情の世界」が描かれています。
先ほど幕間の休憩に、寿司弁当を食べ腹がくちています。
劇場内はほど良い暖房がきいています。
太夫の声、三味線の音が耳に心地よく、次第に次第に遠ざかっていきます・・・zzz
ベンベンベンベン!
強く弾かれた三味の音に、もうろうとなっていた意識が呼び覚まされます!
舞台に目を凝らすと、夫を想い悲しむ女房の人形が見えます。
あっ!と思わず叫びそうになりました!
嘆きもだえる女房の人形が、とつぜん人形遣いの手をスーッと離れ、ひとり身をくねらせて踊っています・・・
文楽に"AI"の世界を拓け、Chromebook!!