秀吉、家康の戦国時代に材をとった短編集「城を噛ませた男」(伊東潤)を読みました。
短編5編、いずれも歴史資料を丹念に読み込んで創られた作品で、題材の選び方やその切り出し方の卓抜さに驚くばかりでした。
史実を骨格として、その上に優れた表現力で肉付けをし、まるで戦国時代の合戦や策謀の現場をドローンに搭載したカメラを通じてテレビ画面で見守っているような感じがしました。
日々のごとく支配者が入れ替わる戦国時代の混乱のなかで、お家を絶やさず守って行くため、策略を練りに練ったすえ、自身の命を惜しまず果敢に行動する姿が、それぞれの編であざやかに描かれています。
ここ2年近く前から歴史小説をよく読むようになりました。
それまでは、まったく関心がなく、高校の時に「宮本武蔵」(吉川英治)を読んだくらいでした。
歴史小説だけでなく、日本の歴史自体にも興味が持てず、関心の的は、もっぱら欧米の歴史・物語・言語、さらに、欧米の研究に端を発するパソコンをはじめとするデジタル製品でした。(おーべーか!)
ところが、ところがです!
60歳を過ぎて、老眼が進み、体力の衰えを感じ出してから、嗜好が大きく変化してきたのです!
若いときはあれほど敬遠していた日本歴史や歴史小説が、面白くて仕方なくなってきたのです!
そればかりか、郷土の歴史や遺跡などにも惹かれ、さらには、西洋的なデジタルよりも日本的なアナログをより好むようになってきました。(にっぽんチャチャチャ!)
いったい、これはどうしてしまったのでしょうか!?
これは、単に歳を取って「こってりした焼き肉」より「あっさりした冷奴(ひややっこ)」の方が舌になじむようになった、という単純なことではありません。
日本のアナログ文化のなかで生を受けて育った後、西洋のデジタル文化に魅せられ、年を経て再び日本文化を再発見する、という段階に達したからではないのでしょうか?!
時代自体も今そういう段階にさしかかっているのかもしれません。
デジタル文化が氾濫するなか、癒(いや)しのアナログ文化が人気を得ています。
アナログLPレコード、紙の本、フィルムカメラ、「若冲」「和風総本家」などなど。
「おーべーか!」から「にっぽんチャチャチャ!」へ。
とにかく、日本の歴史や歴史小説が面白い、今日この頃でした・・・
「おーべーか!」の先端技術の1つ、Chromebook!!