定年後のゆる〜くたのしい日々

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「明治維新という過ち」と Chromebook


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明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト

 

 最近、新聞広告やテレビのトーク番組での紹介などで話題になっている「明治維新という過ち〜日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト〜」(原田伊織)を読みました。

 紙の本、特に単行本は読み終えた後、家も広くなく置き場所に困るので、久しぶりに電子書籍をダウンロードしました。

 ChromebookAndroid アプリ「Kindle」を利用し、老眼に優しいように活字を大きくして読みました。

 電子書籍は、保管場所が要らないのは助かりますが、読んでいる間、紙の本だと、常に今は全体のどこを読んでいるのか、眼や手触りで分かるのですが、電子書籍では指でタップして読んだ分量をパーセント表示させないと分からないので、絶えず自分の読み位置に対する不安感を抱くことになります。(これも慣れなのかな?)

 

 さて、この本で描かれている「幕末・明治維新」の姿は、教科書などで教えられ、世の中に広く知られている姿とは大きく異なります。

 異なると言うより、まさしく正反対のものです。

 藩主は領民を締め付け、幕府は大名を押さえつけるという理不尽な徳川幕府に対し、「尊王」の御旗を掲げた長州藩薩摩藩などの勤皇の志士が敢然と立ち向かい、新しい明治の御代を切り開いた・・・(教科書的な見方)

 ところが、この本の著者は、高杉晋作桂小五郎伊藤博文などの幕末に活躍した歴史上の人物たちは、「勤皇の志士」どころではなく、単なる「テロリスト」だと言い切っています。

 そして、彼らを先導した吉田松陰、また、「尊皇攘夷」の思想で吉田松陰に影響を与えた水戸藩の水戸学派を厳しく糾弾しています。

 すなわち、水戸学派は、日本の現実を無視し、中国の朱子学を見本とした「尊皇攘夷」の観念論を掲げ、その理論を実行するため、吉田松陰は長州・薩摩の「テロリスト」をあおり、ついに暴力的に徳川幕府を転覆させてしまった、というのです。

 著者は、そういったテロ行為がなければ、優秀な幕府のテクノクラート(高級官僚)が古くなった幕藩体制を改革し、スイスや北欧諸国のような立憲君主国になることができた可能性がある、と述べています。(ありえるのかな?)

 一般的に知られている幕末・明治の歴史は、徳川幕府をひっくり返し政権の座を得た長州・薩摩がすべて正義となる歴史(勝てば官軍)であり、真実の歴史ではない、と力説しています。

 著者は、滋賀県彦根に育ち、いわば、彦根藩徳川幕府の視点で、長州・薩摩寄りの歴史を批判しているのだ、と思います。

 

 この本に限らず、幕末・明治を解説している種々の本には、様々な解釈がなされています。

 かなり極端な解釈もあり、天皇・将軍の暗殺やフリーメーソンまで登場します。

 そもそも、明治維新は、その頃、強大な軍事力を持っていた大英帝国のシナリオに沿ったものだ、という説まであります。

 

 そう言えば、その頃、七つの海を制覇していた世界に冠たる「大英帝国」・・・

 そして、それから150年後の今、まさに「EU離脱」という国民投票の結果に揺れに揺れ、ますます分裂し小さくなっていく「英国」・・・

 ほんとうに隔世の感を禁じ得ません!

 

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