定年後のゆる〜くたのしい日々

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「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」と Chromebook(その3)

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか

 

 一昨日(4月27日)の夜、ボクシングのトリプルタイトルマッチが行われ、久しぶりのボクシング観戦でテレビに釘付けになりました。

 ライトフライ級チャンピオン田口良一はTKO勝ち、スーパーフライ級チャンピオン河野公平は判定勝ちで順当に勝ちを進め、最後の仕上げはスーパーフェザー級チャンピオン内山高志が軽く12連続防衛を達成・・・

 先に二人のチャンピオンが試合を終え、次は内山だッ、と意気込んで画面を見守るのですが、チャンピオンと対戦者のデモビデオばかりで一向に試合が始まりません。

 これは実況中継ではないので、番組の残り時間を計算すると、試合は内山がすぐに挑戦者をノックアウトする展開のようでした。

 やっと試合が始まり、双方ジャブを出し合い互いの距離を測ります。

 そのうちに、挑戦者のスピードに内山がついて行っていない、と思ったとき、ひょっとしたら内山の方がKO負けするのでは、という不安が胸をよぎりました!

 数分後、その不安は的中し、2回KO負けとなりました!

 ちょうど5年前、バンタム級フェザー級チャンピオンで圧倒的強さで連勝を続けていた長谷川穂積が、よもやと思われる相手にTKO負けし、王座から陥落したのと同じでした。

 

 そのとき、テレビの画面と頭の中のある場面がダブりました!

 このところ毎日読んでいた大作ノンフィクション「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」(増田俊也)で、「木村の前に木村なく、木村の後に木村なし」とうたわれ柔道界で無敵を誇っていた木村政彦が、相撲界出身の力道山との「昭和の巌流島の戦い」であっけなく敗北してしまう場面!

 もちろん、時代も違うし試合の重みや試合にいたる背景もまったく違っていますが、木村を応援していた人が抱いた、実力を出さずに何だかわからないうちに終わってしまった(負けてしまった)という違和感は、同じだったのではないでしょうか。

 

 この分厚い本を読み終えた今、その違和感がどこからきているのかが分かり、腑に落ちたような気がしました。

 冒頭のボクシングのタイトルマッチはもちろんこれに当てはまりませんが、要は、木村と力道山の試合は「プロレス」だった、ということでした!

 「プロレス」では、あらかじめ決められた「筋書きどおり」に試合が運ばれます。

 今では、「プロレス」には「台本」があり、そのとおりに試合を進めていく、というのは常識になっていますが、「プロレス」創設時は真剣勝負と思われていました。

 わたしも小学生の頃、友達が、親から聞いたと言って「プロレスには台本がある」と言うのを聞きましたが、その時はとても信じられませんでした。

 木村と力道山の試合は3本勝負で、最初の1本目が力道山の勝ち、2本目が木村の勝ち、3本目は時間切れで引き分けとなるシナリオでした。

 それで、1本目は力道山に勝たすため、力道山が攻めの姿勢を取っても、木村は無防備のままだったのです。

 ところが、力道山は「台本」どおりに手加減した攻めをするものと木村は思っていたところ、攻めをゆるめるどころか、いきなり強烈な反則パンチ・反則キックを繰り出し、不意をつかれた木村は意識が飛び、アッという間にマットに沈んでしまいました。

 力道山の「台本」を無視した無防備への不意打ち攻撃が、木村を倒す結果となったのですが、また、木村も全盛期を過ぎ、この時期体調も万全ではありませんでした。

 おまけに、決戦前夜というのに、日本酒1升4合と瓶ビール6本を飲んでいたのでした!

 この試合も、YouTube昭和29年12月22日 蔵前国技館 力道山 vs 木村政彦)で見ることができます。 (YouTubeの説明書きによると、この動画が公開されたのは、対エリオ・グレイシー戦の動画と同じくほんの3年前からだそうです!)

 

 60余年前の死闘を鮮やかに再現する

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