定年後のゆる〜くたのしい日々

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「小梅日記」と Chromebook


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小梅日記 1―幕末・明治を紀州に生きる (東洋文庫 256)

  このところ、幕末に活躍した竜馬の物語をずっと読んでいましたが、読みながら幕末の同時代に生きていた一人の老婦人を絶えず頭の隅に思い浮かべていました。

 彼女の名前は、川合小梅。 昨年、「小梅日記」(東洋文庫)を読んで知りました。

 彼女は1804年生まれで、1889年(明治22年)85歳で亡くなっています。

 竜馬より32歳年上で、竜馬が活躍した幕末の頃は60歳前後でした。

 彼女は、紀州藩和歌山県)の下級武士の妻でした。

 幼くして父を亡くし、紀州藩の藩校の学長を務めた祖父に漢学を、母に和歌を、また、画師に日本画を習いました。

 

 小梅は、若い頃から日記をつけていました。

 現在残っていて「東洋文庫」に収められているのは嘉永2年(黒船が来る4年前)から明治18年までで、その間、紛失し抜けている年も多くあり、特に激動の時期であった明治元年から明治8年まで読むことができないのは残念です!

 「小梅日記」(東洋文庫)は、幕末の文章そのままで現代語訳は付いていないので、なかなかすらすらとは読めません。

 また、内容も大半は単調で、日にち・天気の記述から始まり、大工や八百屋の出入り、訪問者、訪問先、買った品々・金額、もらった品々、親類との付き合い、川辺での洗濯、寺参りなど、本当に単調な日々の生活を淡々と書き記し、個々についての自身の感想などはいっさい記されていません。

 竜馬が日本全国を股にかけて跳び回っていた頃、一方では、藩内に閉ざされた平凡で単調な日常生活が送られていたのでした!

 

 その単調な日々の暮らしにも、幕末の激動の波は打ち寄せ、新時代へ向かう事件の数々が日記に現れてきます!

 「黒船来航」「安政の大地震」「安政の大獄」「蛤御門の変」「天狗党の乱」「長州征伐(一次・二次)」「大政奉還」「王政復古の大号令

 竜馬についても記述した箇所があるので引用します。(カッコ内はわたしの補足)

 

 慶応3年12月7日(11月15日京都の醤油屋で竜馬、中岡慎太郎、従僕の藤吉が暗殺される)

「・・・京都木津屋橋辺(あたり)醤油屋に寄宿せし、土州藩(土佐藩才谷梅太郎(竜馬の変名)、実名は坂本龍馬と云者(いうもの)、家来(けらい)籐吉十八才、石川某(中岡慎太郎の変名)、是(これ)は才谷方へ来合候人(きあわせそうろうひと)、右三人切殺さる。三人程士(さむらい)来り、面会致度由(めんかいいたしたきよし)にて書面出。下女取次、右家来(けらい)籐吉、主人才谷は二階に居候間(おりそうろうあいだ)、持行(もちいく)。才谷机に懸(かか)り認物(したためもの)しいたるが、三人の士(さむらい)、家来(けらい)に付て入、矢庭(やにわ)に三人を切、にげ候(そうろう)よし。手おいはあくる日相果候(あいはてそうろう)よし也。・・・」

 

 「小梅日記」は幕末・明治の Chromebookでしたためたブログや〜!!