コーヒーショップ、ファミレス、居酒屋、ラーメン店など、どこでもいつもBGMに "Jazz" が流れています。
ズン・ズン・ズンと時を刻むベース、絞りだすようなテナーサックス、軽快なメロディーを奏(かな)でるピアノ、突然打ち響くドラム・・・
"Jazz" のLPレコードは数十枚持っていますが、いつから "Jazz" を聴きはじめたのだろうか?
わたしたち団塊の世代が学生だった頃、ビートルズの全盛時代でした。
ラジオの深夜番組ではひっきりなしにビートルズの最新ヒット曲が流れていました。
わたしは、ビートルズよりもアコースティックなサイモンとガーファンクルの方が好きでした。
ある時、「ポピュラーミュージックより、年齢を重ねてもずっと聴き続けられる高尚な音楽を聴こう!!」と思い立ち、クラシックのレコードを買い求めました。(CDが出るのはまだまだ先のことです)
買ったのは、有名なベートーヴェンの「運命」「田園」、モーツァルト「交響曲第40番 悲しみのシンフォニー」でした。
これらのレコードをレコードプレーヤーに順にのせて、かなり集中して聴きました。
その結果は、「自分にはクラシックはわからない!」でした。
勇壮な、あるいは美しいきれいな音楽だとは思うのですが、魂を揺り動かすような感動を覚えることはありませんでした。
次に、クラシックほど高尚ではなさそうですが、ポビュラー音楽よりも演奏時間が長く、複雑なリズムやメロディーの "Jazz" ならずっと飽きずに長く聴き続けられるのではと思い、"Jazz" を聴くことにしました。
"Jazz" のことは何も知らないままレコード店へ行き、並べていたレコードを適当に買っては家で聴きました。
こうして、ジョン・コルトレーン、マイルス・デイヴィス、MJQ、オスカー・ピーターソン、ソニー・ロリンズ、ビル・エヴァンス etc. を聴きました。
クラシックを聴いている時は、聴きながら一生懸命ここは何を表現しているのか、と頭を働かせていましたが、"Jazz" を聴いている時は、最初は考えたりしますが、すぐにリズムの心地よさのとりことなり、気持ちよくなって知らない間に眠ってしまうこともたびたびでした。
"Jazz" の特徴である「裏拍リズム」と「不協和音」が、ちょうど脳のツボを指圧するように働き、呼吸がゆっくり深くなり、体全体がリラックスした状態になるのでした。
こうして、"Jazz" のとりことなり、20代のある時期には毎夜レコードにかぶり付いていました。
"Jazz" のもう一つの大きな特徴は、テーマのコードに沿って自由に即興演奏する「アドリブ」です。
"Jazz" の醍醐味と言われる「アドリブ」が、どうしてできているのか知りたくなり、いろいろ雑誌や本を読んだりして調べましたが、納得の得られる答えは見つかりませんでした。
50歳を数年過ぎたある日、"Jazz" や「アドリブ」が分かるには、自分で "Jazz" を演奏すればよいのでは!と思い立ちました。
問題は、どの楽器を演奏するかです。
学生の頃、ギターを我流で弾いたことがありましたが、手元にギターはありませんでした。
思い立ってもまた、すぐにやめるかもわかりませんから、わざわざギターを買うこともありません。
すると、娘が小さい頃弾いていたデジタルピアノが、ホコリをかぶったまま置き去りになっているのが目につきました。
ピアノははじめてでしたが、夢中になって練習しました・・・
その結果: ある程度まで進みましたが、やはり指が思うように動かない、"Jazz" の命のリズム感がない、コードが覚えられない、譜面が読めない、歳のせいで覚えた曲をすぐ忘れてしまう・・・
当然、"Jazz" や「アドリブ」が分かるまでには至りませんでした。
ピアノを弾かなくなって数年経ちます。
今では、ピアノのキーボードが Chromebook のキーボードに替わっています。
Jazz Piano でバラードを弾くように、Chromebook でブログを奏(かな)でよう!!