定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

フランス語の思い出


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 会社勤めをしていた頃、定年退職したらフランスや他のヨーロッパ諸国への海外旅行を夢見ていたのですが、定年退職すると、どういう具合からか(?)孫の「育ジイ」「育バア」の役目を仰せつかることになり、海外旅行どころか国内の日帰り旅行さえままならぬ身となってしまいました。

 その後、孫たちも日に日に成長し、以前は家にいる時はいつも「育ジイ」「育バア」にビッシリくっついていましたが、最近は近所の子供たちと遊び、徐々に手を離れるようになってきました。

 やっと海外旅行もそう遠くない時期に行ける望みが出てきたと喜んでいた矢先、今月13日、フランスでテロの襲撃事件が勃発しました。

 テロやイスラム国問題の解決もなかなか容易ではなく長期にわたる見込みであり安全を見越しますと、ヨーロッパはまた手の届かないはるか遠くの国となってしまいました!!

 萩原朔太郎の詩の一節が思い出されます。

 ふらんすへ行きたしと思へども
 ふらんすはあまりに遠し
 せめては新しき背広をきて
 きままなる旅にいでてみん

 この詩の頃は、まだ航空便がなく、船でインド洋からスエズ運河を通り、地中海を航行して、数カ月後にやっとフランスのマルセイユに着くという大旅行だったのです。

 

  さて、前に書きましたように、フランス語は大学での第二外国語として習いました。

 当時、一般的な第二外国語はフランス語かドイツ語でした。(今は中国語なのでしょう。)
 フランス語は、英語の次に話されている国や地域が多く、また、それまでフランスの小説に親しんでいたこともあって第二外国語として選択しました。
 フランス語を少し学んでみると、英語よりも分かりやすそうな気がしました。
 もう少し勉強すると、すぐに英語のレベルを追い越してしまうのではないかとさえ思いました。
 結果から見て、これはまったくの誤解でした!!
 やはり英語は中学校から習い、それだけ年期が入っているので、そう簡単には追い越せませんでした。
 それでは、なぜ分かりやすそうに感じたのでしょう?
 自分なりにその理由を考えてみました。

(1)フランス語は、日本語と同じように母音が多い。
(2)フランス語は、日本語と同じように子音の発音が少ない。
(3)フランス語は、発音の短い単語が多い。
(4)単語の発音方法が英語と違って常に規則正しい。

 フランス語は、イタリア語・スペイン語・ポルトガル語と同じラテン語が分裂してできたロマンス系の言語で母音を多用するので、日本人には、子音を多用する英語・ドイツ語のゲルマン系の言語よりも聞き取りやすいように感じると思います。
 フランス語では、単語の語尾の子音は発音されません。
 また、発音が短い単語が多いように思います。
 たとえば、

日本語 フランス語(発音)
 水  eau(オ)
 肌  peau(ポ)
 鼻  nez(ネ)
 首  cou(ク)
 手  main(マン)
 背中 dos(ド)
 腰  reins(ラン)
 卵  oeufs(ウ)
キャベツ chou(シュ)
タイヤ pneu(プヌ)
 指  doigt(ドワ)
 私  moi(モア)
そして et(エ)
 猫  chat(シャ)
ベンチ banc(バン)
     etc.

 また、一度フランス語の発音方法を覚えると、例外が少ないのでほとんど規則通りに発音できます。
 フランス語に慣れてくると、不規則な発音をする英語の単語をフランス語式に発音してしまうこともあるくらいです。

 

 こうして、ある程度フランス語を学んだ頃、待望のフランス語の原書を読み始めたのでした。