今から22年前、やっと手に入れた HP200LX を家はもちろん、会社・出張先へと持ち歩き、いろんなところで活用したくてたまりませんでした。
そこで、かなりユニークに活用した例を紹介したいと思います。
それは、競馬の馬券を買う際のアシスト・ツールとして活用することでした。
わたしは、もともと競馬、パチンコ、麻雀(?)などの賭け事に興味がなく、また不得意でした。
ある時、NHKで競馬についての番組が放送されるのを見ました。(わたしの記憶では、この時以来、NHKで競馬が取り上げられるのを見たことがありません。)
番組の中では、競馬で絶えず勝ち続けているある人の姿を追っていました。
彼(競馬で勝ち続けるある人)は、競馬場へ行くことはなく、いつも場外馬券売り場で馬券を買っていました。
また、すぐ馬券が買えるよう場外馬券売り場の近くに住まいを借りていましたが、その家賃も競馬で勝った分でまかなっていました。
彼は競馬新聞をまったく読みません。
普通は、競馬新聞で馬体重や競争歴などのいろいろな情報を仕入れ、それをもとにしてレース展開を予想するのですが、その情報にまったくむとんちゃくでした。
それどころか、競走馬の名前さえ覚えないのです。
馬の名前は不要で、番号で識別すればよいというのです。
場外馬券売り場の近くに借りた部屋が画面に映しだされていましたが、彼はパソコンセットに向かって作業をしていました。
詳しく説明されることはなかったのですが、競馬のスタート時間に近づくにつれて刻々と変化する各競走馬のオッズ(予想配当率)をパソコン通信でデータとしてパソコンに取り込み、いろいろ作業をした後、プリンターからえんえんと数字がうち出されていました。
そして、各レースの馬券が買える締切寸前に、その作業部屋から場外馬券売り場へ走りこみ、パソコンで予想した馬券を買うのです。
その結果、部屋の家賃も簡単にまかなえるほどの勝率となるのでした。
わたしは、競馬にはまったく興味がありませんでしたが、このパソコンを駆使して勝ち馬を割り出し、利益を得ることができる、ということに強く惹かれました。
それまで、わたしは、興味はないながら競馬の好きな友人に誘われて何度かは競馬場へ行ったことがありました。
結果は、ほとんど敗けでした。
何かパソコンを使って勝ち馬を予想することが自分でもできないだろうかと考えましたが、そのよりどころとなるデータがありません。
費用を払ってまでパソコン通信で競走馬のオッズを手に入れようとは思いませんでした。
その時、NHKの番組の中で、その前年1年間の「平均オッズ」がチラっと映っていたのを思い出しました。
その時、これだっ!と思わず叫びそうになりました。
その「年間平均オッズ」を唯一のよりどころとして、勝ち馬予想方法を自前でも組み立てられるのではないかと思い作ったのが、次のものでした。
【単勝】 (数字はダミー)
1番人気 2番人気 ・・・
各レースのオッズ 2.3 4.5 ・・・
年間平均オッズ 1.2 3.4 ・・・
平均に対する割合 ◯% △% ・・・
個々のレースの単勝オッズを人気順に並べ、「年間平均オッズ」との割合を求めるわけです。
「平均オッズ」の数字と比べてより小さい数字が出た方が、レースに勝つ可能性が高くなるわけです。
勝つ可能性がきわだって高い馬を2つか3つ選び出し、その組み合わせの馬券を買うのです。
そして、これを HP200LX の表計算ソフト「Lotus 1-2-3」に簡単なマクロとして組み込みました。
場外馬券売り場に HP200LX を持って行き、馬券が買える締切り寸前のオッズを「Lotus 1-2-3」に入力しマクロボタンを押すと、自動的に入力されたオッズは人気順にソートされ、「平均オッズ」に対するパーセントが表示されます。
どのくらいのパーセントを選んだらよいのかは、レースの結果を検討した後の試行錯誤となります。
そして、この試行錯誤を2年間続けたのでした。
その2年間、勝つ時もありましたが敗けがやはり多く、2年後の結果としては、多くはなかったですがマイナスとなりました。
やはり、「平均オッズ」を算出するのに1年間のデータだけでは少なかったのだと思います。
その当時、そういうデータを手に入れようとしてもありませんでした。
また、単勝オッズのデータだけでは十分でなかったのかもしれません。
2年間続けて結果を出してから、かれこれ20年たちますが、その間一度も馬券を買わず、また、競馬のテレビ中継も見ませんでした。
以上が、HP200LX を場外馬券売り場まで持ち込むに至ったユニークな活用例でした。