定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

勢古浩爾「さらなる定年後のリアル」


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文庫 さらなる定年後のリアル (草思社文庫)

文庫 さらなる定年後のリアル (草思社文庫)

 

 昨日から日本列島を寒波が吹き荒れています。

 強い風で窓の雨戸が絶えずガタガタ鳴っています。

 孫のチビさんたちは保育園で元気に駆け回っているだろうか?

 孫のかんだかい声が聞こえてきそうです。

 「じいちゃ〜ん!」

 

 昨日の寒い中、嫁はんとスーパーへ買物に行きました。

 いつも嫁はんが食品の買物をしている間、本屋で時間をつぶすことにしています。

 本をいろいろ見ているとつい買いたくなってくるので、本屋に入る前、衝動買いはダメだ!!といつも自分に言い聞かせています。

 しかし、また、また、買ってしまったのです。

 その本とは、「さらなる定年後のリアル」(勢古浩爾)です。

 作者の勢古さんの名はそれまで知らなかったのですが、あるとき勢古さんの文庫本が本屋に3冊並べてあり、どれもタイトルが「定年後の・・・」となっていました。

 このブログも「定年後の生活」を扱っていることもあり、手に取りパラパラ立ち読みしてみると面白く、その後、それら3冊「定年後のリアル」「定年後7年目のリアル」「定年後に読みたい文庫100冊」をつぎつぎに読んでしまうことになりました。

 これらには、勢古さんの定年後のユニークな(?)生活と信条がこれでもか、これでもかというほど盛り込まれていて、そのいちいちが面白くまた共感を覚えるものでした。

 

 作者勢古さんは、わたしより2歳年長(67歳)で団塊の世代まっただ中の人です。

 大分県出身、明治大学卒業。入社試験に落ち続け、全従業員20数名の洋書輸入会社にやっと入社。 34年間勤務の後、定年後の生活に入ります。

 退職以前より本を書いていて、著作は現在30冊を超えています。

 勢古さんの定年後のユニークな一日を紹介しますと、起床は昼の12時頃。

 コーヒーを飲んだ後、使い古しのショルダーバッグに文庫本、原稿用紙、カセットウォークマンを入れ、自転車で外出します。(車の運転免許を持っていないそうです。)

 行き先は、時々公園、時々図書館、時々本屋、時々ショッピングモール、そして喫茶店だそうです。喫茶店でウォークマンの音楽を聴きながら文庫本を読んだり、原稿を書いたりして、夕方6時頃帰宅。

 夕食をとってから翌朝6時就寝までテレビを見たり、パソコンを見たり、本を読んだり、洋画のDVDを見たり、たまに文章を書いたりだそうです。

 あとは月に2回、一人暮らしの弟さんの家へ行き、60過ぎの男とは思えないほど二人で幼稚な話しをしてはガハハと笑うのだそうです。 質素でささやかな生活です。

 

 昨日買った最新の「さらなる定年後のリアル」をパラパラめくってみると、基本的には前作2作と同じような内容です。

 これは、けなしているのではなく、最大のほめことばなのです。

 落語を聞きに寄席へ行く人は、すでに話されるストーリーを知っています。

 客はストーリーを知るために寄席へ行くのではなく、他の日とはまた違うその日にしか味わえない落語家の話しの間(ま)、声の調子、身振り手振りなどの芸をじっくり楽しむためです。

 勢古さんの新しい本もそれと同じなのです。 定年後の現実生活が新作でどう現されているか、どう面白く書かれているかを読者がワクワクして期待しているのです。

 わたしを含めた定年後の人生を送る人たちが、一見わびしいと思われる定年後の生活が、見方を変えれば実はささやかではあるが何の拘束も受けない自由な生活なのだと再認識し共感を覚え、新たな生きる意欲を取り戻すのです。

 

 そろそろ孫を保育園に迎えに行く時間です。

 チャオ!!