定年後のゆる〜くたのしい日々

〜読書、語学、パソコン、音楽などをたのしむ日々のくらし〜

ジャズピアノ と「起立!礼!着席!」(その2)

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♫ ミソド~ 起立!
♫ レソシ~ 礼!
♫ ミソド~ 着席!

 

ギリシャ時代、ピタゴラスが探求した音階は、その後改良され、バッハの時代には「十二音平均律」となり、現在、ピアノの鍵盤などで見られる一般的な音階となっています。

 

ある音ともうひとつ他の音を同時に鳴らした時、その響きの心地よさによって「協和音」と「不協和音」に分かれます。
「協和音」は、協和の程度によって、さらに、「完全協和音」と「不完全協和音」に分かれます。

 

キーがC(ハ長調)の場合、1オクターブの12種類の音が、基本音「ド」と一緒に鳴ったときの「協和」の程度により分けられる分類を示したのが次の図です。

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「ド」のすぐ右側の音、又は、1オクターブ上の「ド」のすぐ左側の音は、「不協和音」となります。(レ・レ♭・シ・シ♭)
「ド」又は1オクターブ上の「ド」から、右又は左へ少し離れると、協和が増しますが、完全ではなく「不完全協和音」となります。(ミ・ミ♭・ラ・ラ♭)
もっと、「ド」又は1オクターブ上の「ド」から遠くなると、協和がずっと高まり「完全協和音」になります。(ファ・ソ)

 

さらに、「ド」又は1オクターブ上の「ド」から半音遠ざかると、オクターブのちょうど真ん中(全3音)の「ソ♭」になり、これまで協和の度合いが徐々に増してきたのがまた「不完全協和音」に戻ってしまいます。
しかも、この「全3音の不協和音」は、「不完全協和音」の中でも特に不快の度が強く、「悪魔の音程」と呼ばれることもあるそうです!

 

上のことを頭に入れて、「起立!・着席!」の和音(ミソド)と「礼!」の和音(レソシ)を見てみます。
●「起立!・着席!」(ミソド)コードC
3音とも「協和音」、しかも、そのうち2音が「完全協和音」であり、きわめて安定・満ち足りた感じを与えます。
●「礼!」(レソシ)コードG
3音のうち2音が「不協和音」となっているので、不快・不安定の感じを与えます。
さらに、「ファ」の音を追加して、コードG7にすると、コード内の「ファ」と「シ」の間で「悪魔の音程」が成立し、いっそう不快感が増します!
また、「G7→C」のとき、「レ→ミ」「ファ→ミ」「シ→ド」となり、「ドミナント・モーション」が実現します! 
こうして、「C→G→C」の和音が、「起立!礼!着席!」の伴奏となることが納得できるのです! 

 

ところで、不快の極みである「悪魔の音程」(全3音)も、使い方によってはブルーノートと呼ばれ、ジャジーな音を奏でます!
ちょうど、子供にとっては「苦い水」でしかないビールが、大人にとっては、その「喉越しの味」が忘れられないのと同じです!

 

My Favorite Things:ビール・焼酎・ウィスキー・ブルーノート・・・!!

 

 

 

ジャズピアノ と「起立!礼!着席!」

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♫ ジャ~ン(ミソド)
♫ ジャ~ン(レソシ)
♫ ジャ~ン(ミソド)

 

小学校でおなじみの起立!礼!着席!の伴奏です。
コード(和音)で表すと「CーGーC」となります。
これは、「安定した状態からいったん不安定状態になった後、再び安定状態に戻る」というドミナント・モーション」そのものなのです!

 

ジャズはドミナント・モーション」の連続といっても過言ではないと思いますが、そのドミナント・モーション」の基本的な音をすでに小学生のときにいつも耳にしていたことに気がつく人は少ないと思います。

 

それではどうして、キーがC(ハ長調)の時、コード「C」(ドミソ)は「安定」と感じ、コード「G」は「不安定」と感じるのでしょうか?

 

ピアノを弾き始めた頃は、基本的なことも知らず、ただやみくもに難しい曲を丸暗記して、ピアノを力まかせに組み伏せようと格闘していたように思います。
ピアノの方も簡単に言うことを聞くような「柔(やわ)なヤツ」ではありません!
「暴れ馬」のように暴れ回り、ついには乗っている主人を地面に振り落としてしまいます!

 

「暴れピアノ」に振り落とされてから数年後、再び同じ過ちをしても能がありません。
こんどは、基本に立ち返り、自分の足元をよく見つめ、一歩一歩地面を確かめながら進まなくてはなりません。

 

ピアノに向かう前に、頭の中を整理してみます。
「安定・不安のコード感」とは何か?の前に、まず「音」とは何か?そして、「音階」とは何か?を知らなくてはなりません。
「音を聞く」とは、物体が振動し、その振動波が空気を伝わり、耳の鼓膜を振動させ、それによって生じた電気信号が脳へと送られ、脳が音として認識することです。

 

それでは、「音」の連なりである「音階」とはどうしてできたのでしょう?
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」です。
この西洋音階のもとは、はるか昔のギリシャ時代、数学の「ピタゴラスの定理」で有名なピタゴラスが考えたものらしいのです!

 

ピタゴラスは、人間の耳に心地よい音を数学的に探求しました。
弦のある音と一緒に鳴らすと最も心地よく響き合うのは、弦の「同じ長さの音」と「長さが半分や倍の音」などでした。
すなわち、最初の音を「ド」ハ長調)とすると、同じ「ド」かオクターブ上下のいくつもの「ド」です。

 

その次に心地よい音を探すと、弦全体の長さとの比が「2:3」となる長さの弦が響く音でした。
「ド」に対する「ソ」です。
こうして、耳に心地よい音は「2:3」で求められるので、数オクターブにわたって、求めた音に次々に「2:3」を当てはめ、12種類の音、すなわち「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」とその間の5種類の半音を求めたのでした・・・

 

はるかギリシャ時代にまでさかのぼるスケール(音階)の旅!!
(To be Continued)